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[30899] (一発ネタ)落っこちてきた剣アーチャーさんの話(TOA×FATE)
Name: naka◆14b9515a ID:6803ea42
Date: 2011/12/18 00:25
※FateとTOAの無茶な感じのクロスです。
 Fateのアーチャーを不憫な感じでアビス世界に突っ込んで見ました。
 続きません。
 この作品はにじファンでも投稿しています。
 広い心で見てやってください。



   落っこちてきた剣アーチャーさんの話


 それは深淵に一振りの剣が降り立った日。

 空が赤く染まり夕日がよく見えていた。
 渡り鳥は虹色に染まった雲をくぐりぬけ、すでに姿は遥か遠く空は赤々と染まっていた。

 落ちていく夕焼けを背にルークは大きな木の上でぼんやりと空を眺めていた。
 そこは屋敷の裏庭で一番目立たない、人通りの少ない場所で煩わしいことから逃げ出すにはもってこいの場所だった。

 どこからか聞き覚えの無い声が聞こえた気がして、きょろきょろと周りを見渡していたところで、何かが髪をかすって落っこちていった。
  驚いて危うく木の枝から落ちそうになり、あわてて体勢を立て直して下を見ると一振りの剣が庭に突き刺さっていた。

 どこからともなく「身体は剣でできている」と何度も何度も繰り返しつぶやいているのが聞こえて、

「とうとう頭がおかしくなっちゃったのかなー」

 などと思わずつぶやいたのだった。

 それはとても不思議な剣だった。
「召喚したのは君か」とか「どうしてこんな姿で」とか「幸運に恵まれなさ過ぎる」などよくわからないことをベラベラと喋りたてて、ルークを困惑させた。
 それでも彼(?)に自身の境遇を話せば、「この通り手も足も無いが、話し相手ぐらいにはなろう」と気持ちよく承諾してくれた。

 奇妙なことに、どんなに力をこめてもその剣を土の中から引き抜くことはできなかった。それでも話すだけであれば何の問題も無く、ルークは毎日のように彼に会いに行き、そこでいろいろな話をしていた。

 もっと不思議なことは、その剣をルーク以外は見ることができないようなのだ。誰も彼もがその剣を無いものとしていて、無視しているのだった。
 そして、ルークも剣の話をしようとしても、何故か言葉にすることができなくて、結局のところ彼一人の秘密として胸にしまうしかなかった。

 それから何年もたって、その剣は退屈な日々を送るルークにとっては無くてはならないものになっていた。
 その日もいろいろな話をしていたが、屋敷の人間に呼ばれて剣のそばを離れてしばらく経ったとき、聞き覚えの無い歌が聞こえてきた。


 そのあとしばらくルークが現れることは無かった。


 屋敷内での騒ぎから、ルークがどこかへ言ってしまったということはわかったが、剣はそれこそ手も足も出ずそこに突き刺さっているしかなかった。


 それから幾重もの朝と夜が過ぎて、ルークが帰ってきた。

 鮮烈な赤のイメージを纏う懐かしい女性を伴って。

 その女性、凜はその剣を見て「あーはは、アーチャーが剣!あはは」「剣でできてるどころか剣!」「なにそれーおなかが捩れそう!」などと指差して笑ってたが、そこは優秀な魔術師であるから、あっさりと封印を解いてしまった。
 何故、剣の状態なのかは結局のところわからなかったが、剣はなんだかんだでルークの旅に付き合うことになった。


 そしてアクゼリュスにて、ルークが尊敬する師匠の姦計にかかって、その内に秘める力で1つの街を滅ぼそうとしたその瞬間。

「――――――――問おう。君が私のマスターか」

 白い髪と浅黒い肌の赤い外套を羽織った騎士がそこに降臨した。


 それから先は蛇足な話。

 正義の味方が現れたあとは平和になるのを待つばかり。
 それきっとハッピーエンド。


 あとがき

 ごめんなさい。
 たぶんこの後はアーチャー無双と凜の魔術(含むうっかり)でどうにかなると思います。



[30899] 落っこちてきた剣アーチャーさんの話 2回目?
Name: naka◆14b9515a ID:6803ea42
Date: 2011/12/20 18:05
※うっかり続いてしまいました。
 アーチャーさんはとっても残念な扱いをされてます。
 追加キャラが入ります。
 書きたいエピソードだけ書いてます。
 とても蛇足な感じです。



落っこちてきた剣アーチャーさんの話 2回目?


 結論から言うと、アクゼリュスは落ちた。

 それもそのはず、パッセージリングのすぐそばでぶちかました超振動に対して、熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)を展開して防御しようとすればそうなる。

 ルークが無理やりの召喚で力の大半を削られていなければ、「問おう」の「と」の字を言う前に、アーチャーは消滅したのではないかと思われる。

 ヴァンが捨て台詞を吐いて逃走したあと、アーチャーはルークをその場に正座させて延々と文句を言い連ねていた。
 曰く、「マスターは私に何か恨みでもあるか」「召喚した瞬間に特大級の魔術をぶちかますなど正気か」「人の言葉を鵜呑みにするからこうなるのだ」などとこめかみに青筋を立てていた。

 血相を変えて突入してきた仲間達はその様子に度肝を抜かれたように呆然としていたが、大地が激しくゆれ始めたのに気づき、また血相を変えてパッセージリングの操作盤に駆け寄った。

 ジェイドの機転とアーチャーの解析によりパッセージリングを制御して、大地を降下させることで被害の拡大を抑えることはできた。
 しかし、その被害は甚大で落盤や地盤沈下などで多大な死傷者が出たことは想像がついた。

 その後、救援を呼ぶためにアーチャーはティアを連れてユリアシティーに走っていった。ティアをお姫様抱っこして。

 うなだれるルークを無視して、他の人たちは各々生存者を探すために散っていった。親友のガイでさえも言葉をかけることなく、離れていったのでルークにとってはかなり堪えた。

 しばらく救援活動をこなしたあと、彼らはユリアシティから来た人たちに後を任せて、ユリアシティにおもむいた。
 その場にて、アッシュがルークがレプリカであることが暴いたり、もめて刀傷沙汰になったりルークが昏倒してしまったりしたが、アーチャーは特に手も足も口も挟むことなく周りを観察していた。

 剣だったので。

 華麗にお姫様抱っこして走っていったアーチャーだったが、辿り着いた途端にカランと剣の姿に戻ってしまったらしい。
 再び人型になれるようになるには、それなりの時間を必要とした。

 無理にいい格好をしようとするからそうなる。

 アーチャーに対する尋問に関しては、特に物珍しいことは起らなかったので、詳細については割愛する。
 ジェイドがネチネチと質問してそれをアーチャーがのらりくらりとかわしていたのを見て、G氏は「胃が崩壊しそうだ・・・」、A氏「ちっ、すかしやがって」、I氏「えっと、あのその・・・」A女史「シッ、触らぬ神に祟り無しですよ!」などというコメントが寄せられたらしい。

 仲間達がルークをクリフォトに残して外郭大地にもどったあとも、まだルークは昏睡状態のままだったが、しばらく経ってから焦った表情で飛び起きた。
 セントビナーが落ちるとのことで、今すぐにでも走り出そうしそうなほどに軽くパニックに近い状態だった。しかし、ティアの冷たい言葉とアーチャーの小山になるような小言のおかげで冷静になり、決意を持って気持ちも新たに旅立った。

 それから。
 あちこちに走り回って、ルークたちはマルクト帝国へと訪れた。
 首都目前というところで、六神将のラルゴとシンクがあらわれた。

 ナタリアが弓矢を放ち六神将との戦線が切って落とされたと思った瞬間、後ろからルークに対してガイが剣を振りかぶった。

 ルークは剣の状態だったアーチャーを使ってその刃を防いだが、その攻勢は激しくアーチャーのサポートをもってしても、守りに回るのがせいぜいだった。

 乱戦状態の中で、まともに反撃できないままルークの手から剣が弾き飛ばされてしまった。
 そして、ガイの剣が振り下ろされようとしたとき、蒼い風が吹き抜けた。

 金色の髪をきっちりと結い上げて、白銀の鎧を着込んだ騎士がそこに立っていた。彼女は「助太刀すると」一言だけ告げると、あっという間にガイを叩き伏せて隠れ潜んでいるシンクを見破り、矢を射るように指示した。

 不利と見るやラルゴとシンクは素早くその場を立ち去った。

 アーチャーは複雑な表情で騎士の前に立ち、彼女、セイバーに声をかけた。

 何故ここにいるのだという問いに、困ったような顔でアーチャーを見た。

「わかりません、気がついたらここに・・。目が覚めたらここに居たのです。それで、目の前にこれが・・・」

 そっと差し出された剣を見て、目を見開いて黙り込んだ。

「どういう理屈なのかさっぱりわからないのですが、これはたぶん・・・」

 セイバーが言葉を言い終える前に、アーチャーはその剣を取り上げて明後日の方角に投げ捨てた。

 剣は「なんでさーーーーー」という叫びを残して飛んでいき、セイバーは「シロウーーーー!!!!」と叫んで追いかけていった。

 そして、アーチャーはうなだれるようにしゃがみこんで、「なんでさ」と呟いた。



 あとがき

 え、えっとごめんなさい。
 でも、アーチャーさんは不憫な扱いがとっても似合うと思います。
 続けられるかどうかはわかりません。



[30899] 落っこちてきた剣アーチャーさんの話 3回目
Name: naka◆14b9515a ID:6803ea42
Date: 2011/12/30 15:50
※いろいろと台無しです。
 短めの小話です。


  落っこちてきた剣アーチャーさんの話 3回目はアホ話



 カツーンと、鈍い音が響いていた。

 響く。響く。金属を打ち付けるような大きな音が響き渡る。
 寒々しい荒野は彼方まで続き、空は砂嵐に濁って曇り、生きているものなど何一つ無い。

 無数の剣が荒野に突き刺さり無造作にその姿をさらしている。

 担い手を待っているのだろうか?

 ルークは何も解らないまま、剣を引き抜いて走り去っていく英雄の姿を幻視した。その姿に憧れて、起こるであろう英雄譚に心躍らせた。

 彼は知らない。
 その剣がすべて贋作であることを。

 彼は知らない。
 そこが剣の墓場であることを。

 その本質を知らないままに、その現実に気づかないままに、憧れをにじませて剣の丘を見つめる。


 荒野に激しい炎が走り去って、夕焼けに染まる剣の丘の向こうに人影を見た。

 赤々と燃える夕日を背に彼は腕を振るう。
 そのたびに火花が舞い、黄金に輝く粒が空を舞う。
 ジャンジャンと鐘が鳴るように鉄を打ち合わせる音が響き渡る。

 香ばしい匂いが鼻をくすぐり、空腹を刺激される。

 そう、それは……。


「なんでチャーハン作ってんの?」

 ルークははっきりとしない頭を振って、寝ぼけ眼で周りを見渡した。

「何をしている。他の者は朝食を済ませているぞ。
 早く起きて準備をせんか」

 赤いエプロンをしたアーチャーが、呆れた顔でルークを見下ろしていた。
 相変わらずエプロンがよく似合ってるなと思いつつ、大きくあくびをした。

 ルークはわかったよと答えて、ベットを飛び降りたのだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「……………」

「そんなに怒るなよ。わるかったってば」

「……………」

「仕方ないだろ。ホント悪かったって」

 ルークはにらみつけてくるアーチャーに汗だくで弁解を続ける。

「戦闘の弾みで包丁なくしちゃったんだから、しょうがないじゃないか。
 それに、何だかんだいってもアーチャーだって結構ノリノリだったじゃないか」

「……だからといって、剣を料理に使うなどお前は馬鹿か?
 普段は魔物や人を切っているのだぞ?」

「しっかり消毒したんだからいいじゃんか」

「……火あぶりやら水攻めされるこっちの身にもなれ」

「……ごめん」

「どうかいたしましたの?」

 ナタリアが向日葵のような笑顔でこちらにやってきた。

「先ほどの料理とてもおいしゅうございましたわ。
 特に、あの鮭のカルパッチョ!
 ……どうかしましたか?」

「……ごめん、ほんとごめん」

 ルークが必死に謝っている横で、アーチャーは顔を青くして口元を抑えていた。



 あとがき

 ……アーチャーファンの方ごめんなさい。出来心だったんです。


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