日本原燃の川井吉彦社長は27日の定例記者会見で、08年のトラブルで停止している使用済み核燃料再処理工場で、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の製造試験を来年1月下旬にも始めると表明した。同10月の完工予定については「工程的には厳しいが、目標を変えずに努力していく」と強調した。
製造試験は、全国の原発から搬入された使用済み核燃料を裁断、溶解してガラスと混ぜ合わせ、容器に閉じ込める完工前の最終試験。川井社長によると、1月中旬からガラス溶融炉の熱上げなど事前準備に入り、同下旬~2月上旬に製造試験を始める。
同社は福島第1原発の事故を受け、非常時の電源確保などの緊急安全対策を実施。三村申吾知事が26日に対策を了承したのを受け、試験再開を決めた。川井社長は「県から一定の理解が得られた」との認識を示した。
また、福島の事故後に建設工事が中断しているMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料工場についても再開する方針を表明した。川井社長は「掘削工事なので、雪が解ける春から再開したいと考えている」と説明した。【山本佳孝】
毎日新聞 2011年12月28日 地方版