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東電債務超過のおそれ 公的資金は

1月2日 16時18分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島第一原子力発電所の事故に伴う賠償などの負担で厳しい経営状態が続いている東京電力は、ことし中にも債務超過に陥るおそれがあり、今後、財務基盤を強化するための公的資金投入などを巡る政府側との調整が本格化することになります。

東京電力は、原発の停止に伴う火力発電所の燃料費の追加負担が平成23年度だけで8000億円余りに上る見通しになっているほか、今後は廃炉や除染の費用も加わり、このままの状態が続けば、ことし中にも債務超過に陥って事業の継続にも深刻な影響が出かねない状況です。こうしたなか東京電力は、政府が出資する原子力損害賠償支援機構とともに、ことし3月までに総合特別事業計画を策定し、経営状態を改善する方策を盛り込む方針です。この中では電気料金の値上げとともに、公的資金の投入などについて検討が進められていますが、東京電力は、赤字体質を改善するため電気料金の大幅な値上げに重点を置いています。これに対し政府側は、値上げは最小限にとどめ、公的資金の投入で一時的に東京電力を国有化し、国が経営への関与を強める形で経営立て直しを図るべきだとしているほか、金融機関の間からも支援の継続には経営への国の関与が不可欠だという見方が出ています。こうした状況のなか、東京電力のことし3月期の決算を前に、機構や金融機関は、今月中にも公的資金の投入や料金値上げなど抜本的な経営立て直しに向けて一定のめどを付けたいとしており、対応を迫られる形の東京電力と、政府側との間で、今後、調整が本格化することになります。