韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は2日午前、大統領府で新年の演説をし、「半島の平和と安定に最善を尽くす」として、金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去した北朝鮮に対話を呼びかけた。だが、北朝鮮は李政権を名指しで非難しており、急速な関係改善は難しいとみられる。
李大統領は金総書記の死去で、北東アジアに大きな変化が予想されると展望。「北が真摯(しんし)な態度で臨むなら、新しい半島の時代を一緒に開いていくことができる」と訴えた。関係改善の前提としてきた、北朝鮮による一連の武力挑発への謝罪は直接求めなかった。
核問題では「北が核開発活動を中断すれば6者協議の再開が可能」と語り、従来の立場を維持した。北朝鮮に対して「挑発すれば強力に対応する」とも警告した。北朝鮮の新しい指導者、金正恩(キム・ジョンウン)氏についての直接の言及はなかった。
韓国政府は、金総書記の死去で朝鮮半島の不安定化を懸念する日米中などの考えに配慮。対話を求める態度を強調したが、韓国内の保守を中心とした北朝鮮に反発する声にも配慮し、バランスを取った演説になった。(ソウル=牧野愛博)