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年末年始には、餅料理を食べる機会が増えることから、12月から1月にかけて餅など 1)による窒息事故が多くなっています。東京消防庁管内 2)では平成18年から平成22年までの5年間で、餅などに起因した窒息事故で601人が救急搬送されています。
年別の救急搬送人員は横這い状態にあり、中等症以上の割合はいずれの年でも6割を超えています(図1)。
1月が最も多く212人で全体の約35%、次いで12月が86人で約14%となっており、両者を合わせると298人となり全体の約50%を占めています(図2)。
時間帯別にみると、12時台が最も多く89人となっています(図3)。
また、12時台に発生した事故を年齢区分別にみると、80歳代が41人と最も多く、次いで70歳代が30人となっています。また60歳以上では86人となり12時台に発生した事故の約97%と高い割合を占めています(図4)。
年齢区分別にみると、80歳代が最も多く211人で全体の約35%を占めており、次いで70歳代が199人で約33%となっています。また60歳以上から救急搬送人員が急激に増えており、60歳以上の救急搬送人員は552人となり、全体の約92%を占めています。
さらに、人口10万人あたりの発生件数を見てみると、70歳以上の年代に多く発生しており、特に90歳以上では82.6人と非常に高い割合を示しています(図5)。
餅などよる窒息事故のうち、419人が初診時程度が中等症以上となっており、これは救急搬送人員の約7割を占めています。(図6)。
また、年齢区分別の初診時程度割合で、中等症以上の割合が最も高い年代は50歳代で76.5%と高い割合を示しています。60歳以上の年代では約7割以上が初診時程度が中等症以上と診断されており、年齢の上昇とともに中等症以上となる割合が高まる傾向にあります(図7)。
自宅で家族と食事中に餅を喉に詰まらせ呼吸困難となったもの (平成22年1月 47歳女性 軽症) |
昼食を夫婦で食べていたところ、妻がきな粉餅を喉に詰まらせ意識を失い倒れたもの (平成22年2月 64歳女性 重篤) |
昼食で餅を喉に詰まらせ倒れたものを妻が目撃し救急要請したもの (平成22年2月 77歳男性 死亡) |
食事中に白玉団子を喉に詰まらせたもの (平成22年3月 88歳男性 重篤) |
昼食にお雑煮を食べていたところ喉に詰まらせ意識朦朧となったもの (平成22年1月 97歳男性 重篤) |
乳幼児は、主に臼歯がなく食べ物を噛んですりつぶすことができないことや、食べながら遊んだりする傾向にあるため、窒息事故が発生しやすくなっています。
高齢者は、一般的に、噛む力や飲み込む力が弱くなり、だ液の分泌量も減少し、食物が詰まりかけた時に咳をする反応が弱いなどの理由により窒息事故が発生しやすくなっています。
※一般的な傾向であり、食べる機能には個人差があります。
チョークサインを出しているとき、声を出せないとき、顔色が急に真っ青になったときなどは、食べ物などにより気道が塞がれていることが疑われます。そのようなときは・・・
チョークサイン
窒息を起こし、呼吸ができなくなったことを他の人に知らせる世界共通のサイン。
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