中国新聞LEADERS倶楽部
2011年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る。

紙屋町再開発ビルでにぎわい

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代表取締役社長
越智 秀信氏
(おち ひでのぶ)

―ことしは電車開業100周年の節目の年です。

次の100年に向けて、礎を築くスタートの年と考えています。原爆で甚大な被害を受け、その後はマイカー時代の到来で利用者激減を経験するなど紆余(うよ)曲折がありましたが、100周年を迎えることができました。これからも皆さまに路面電車を利用していただけるよう日々努力を重ねてまいります。

―路面電車の駅前大橋線計画は。

2016、17年の運行開始を目指しています。広島市との協議を踏まえ、12年度中には工法を含めた設計計画が決定されればと思います。高架、平面、地下の3工法が考えられますが、あの場所で物理的・技術的に可能なのは地下ルートです。経費は120億円強ですが、国の補助事業のため、地元負担は50億円強に抑えられます。工期は3年なので、年約17億円の負担と見込んでいます。また、現在広島駅から紙屋町までの所要時間はダイヤ上15分ですが、雨の日には25分以上かかり、定時性と速達性の点で問題を抱えています。駅前大橋線計画では、広島駅から紙屋町間の軌道を直線にし、問題を解消。所要時間を約10分に短縮し、経済効率のアップと広島の拠点性を高めます。

―来月、紙屋町交差点に再開発ビルが完成しますね。

地上14階、地下2階のビルで、アウトドア用品店や衣料品店などのテナントが入る予定です。紙屋町をはじめとする中心部の売り上げが落ちていますが、この新たなビルがにぎわい創出へのカンフル剤になればと考えています。

―呉市交通局からバス路線を引き継ぎます。

4月の路線移譲で、所有する車両は140台増え、計560台になります。当面、路線も運賃も変更しません。よりきめ細いダイヤを編成し、利便性を高めます。

―広電グループとしての役割は。

グループの力を結集し、二つの世界遺産を持つ広島をアピールする仕組みをつくっていきます。昨年は外国人観光客向けに電車、バス、船、ロープウエーとホテル宿泊をセットにした「ナイスパック」を企画し、好評を得ました。国内客向けにも広げていきます。12年度は「変わります」が合言葉。皆さまに愛される企業を目指し、今後も精進します。

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広電本社ビル
会社概要
社名広島電鉄株式会社
所在地〒730-8610
広島市中区東千田町2丁目9-29
TEL082(242)3521
設立1942年4月
事業内容鉄・軌道事業、自動車事業、不動産事業
資本金23億3562万円
売上高171億248万円(2011年3月期)
従業員数1299人(2011年3月現在)
関連会社広電不動産、広電ストア、広電建設、広電観光、
広電宮島ガーデン、宮島松大汽船、
ヒロデンプラザ、グリーンバーズ・ヒロデン、
ホテルニューヒロデンなど計20社
ホームページhttp://www.hiroden.co.jp/