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【コラム 撃戦記】

品格も優れた王者・内山

2010年11月16日

 ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(30)=ワタナベ=が今月5日、出身の埼玉県春日部市立内牧小学校で開かれた「ようこそ先輩!」集会に招かれた。リングの強さだけではなく、内山が弁達者であることには驚きだった。

 母校の狙いは(1)内牧小の先輩の活躍を知り、将来への意欲につなげる(2)生き方や物の考え方を学ぶ−だった。そして内山は、立派に役目を果たしていた。内山はボクシングを花咲徳栄高で始め、拓大に進学、アマ4冠を引っ提げてプロ入りし、プロでも頂点を極めた。体育館で624人の全校児童を前に練習の苦しさ、それを耐えた先にある楽しいことやうれしいこと、継続することの大事さを語った。

 強いボクサーはあこがれを抱かせる。児童たちのストレートな質問に答える世界王者に、夢を膨らませた子供たちも多くいただろう。だが、その一方で、人気取りで品格を無視する選手もいる。私は「メディアに載ったら姿形を正せ」が持論だ。デビューから16勝(13KO)無敗、世界戦3連続KOで王座も2度防衛する内山は、品格も優れている。強い先輩のオーラに触れて児童の目は“ぎんぎらぎん”だった。 (格闘技評論家)

 

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