オウム真理教の元幹部で、東京の公証役場の事務長の監禁致死事件などで平成7年に特別手配されていた平田信容疑者が、31日夜遅く、都内の警察署に出頭し、逮捕されました。平田容疑者は「死亡した事務長には申し訳ない」と話す一方で、潜伏場所については「人に迷惑がかかる」と言って口を閉ざしているということで、警視庁は、17年近くに及んだ逃亡を支援していた人物がいるとみて実態解明を進めることにしています。
逮捕されたのはオウム真理教の幹部だった平田信容疑者(46)で、31日夜遅く、東京の丸の内警察署に出頭しました。警視庁の調べによりますと、平田容疑者は平成7年2月28日、東京・品川区の公証役場の事務長だった假谷清志さん(当時68歳)を品川区内の路上でレンタカーに無理やり乗せて監禁したうえ、山梨県の旧上九一色村の教団施設で薬物を注射して死亡させたとして監禁致死の疑いが持たれています。警視庁は1日朝、平田容疑者の身柄を捜査本部がある大崎警察署に移して本格的な取り調べを始めました。警視庁によりますと、調べに対して平田容疑者は「車を運転していただけだ」などと容疑の一部を否認していますが、「假谷さんには申し訳ないと思う」とも話しているということです。一方、おととし時効になった警察庁の國松孝次元長官が狙撃された事件については、「関係していない」と供述しているということです。また17年近くに及ぶ逃亡の末出頭した理由については、「事件から時間がたったので一区切りつけたかった」などと話していますが、潜伏していた場所は「人に迷惑がかかる」と言って口を閉ざしているということです。平田容疑者は出頭した際に現金数万円を持っており、警視庁は逃走を支援していた人物がいるとみて、逃亡生活の実態解明を進めるとともに教団による一連の事件での役割などについて調べることにしています。