8回、セレスティノ・カバジェロ(右)のパンチを顔面に受ける細野
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◇WBA世界フェザー級タイトルマッチ(31日・横浜文化体育館)
やはり名王者カバジェロの壁は厚かった−。細野は王者カバジェロに大差の判定負け。2度目の世界挑戦も王座奪取はならなかった。
身長差10センチ、リーチ差19センチ。体格的には圧倒的不利。それでも果敢に攻めた。カバジェロはWBA世界スーパーバンタム級で10度防衛した世界的にも知名度のある2階級制覇王者だ。細野は「いろんなパターンを練習してきた。試合を見てほしい」と秘策をほのめかしていた。王者の懐に入って“バズーカ”の異名を持つハードパンチを何発も放ったが、空を切った。
細野の力になったのが故郷・福島県いわき市から駆けつけた約100人の大応援団だ。東日本大震災の被災地であり、原発問題で不安な生活を送っている。「大変な時なのに来てくれる。勝って期待に応えたい」。記者会見では恩返しの勝利を誓っていたが…。
2010年1月、最初の世界挑戦は1階級落としたスーパーバンタム級。減量に苦しんだ前回と違って、今回はベストコンディション。すべてが順調だった。王者カバジェロを倒してベルトを持って故郷・福島にがい旋するはずだった。「思ったより距離があってやりにくかった。相手は余裕だった。全然通用しなかった」。細野のショックは大きい。 (森合正範)
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