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2012年1月1日投稿

新年ご挨拶

あけましておめでとうございます。
本年も相変わりませずよろしくお願い申上げます。

相変わらずと申上げましたが、今年は私の生活はずいぶん相変わる
予定であります。ひょっとして、文筆業になって最も大きな変化かも
知れません。この年齢になってから、こういう面白いことが
出来るとは、と自分で驚き、いささか興奮しています。

まず、昨2011年は本当にいろいろと大変な年でありました。
3月の大震災及び原発事故という国家レベルの悲劇に涙する間も
なく、われわれの仕事のさまざまな面にまで影響が及んできました。
出版業の受けた被害は甚大で、製本用紙の確保から印刷所の
津波による消失、さらには東北地方のマーケットが壊滅状態に
なるという事態に及んで、営業を縮小する出版社、特定部門を
廃止する出版社などが相次ぎ、企画の売り込みが大変困難になって
きたという状況が前半にありました。先行きはどんどん
不透明になっていきました。

そんな中、私の2011年前半は、『トンデモ本大賞2011』
の開催準備に費やされました。と学会結成20周年プロジェクトは
当然年明けから打ち合わせ準備が開始されたのですが、震災で
さまざまな祭事が中止になる中、一時は
「開催は無理かも」
という観測までなされたほどでした。
そんなわけで、最も大事な“大会方針の統一”という作業がスタッフ
間でなされぬまま、とにもかくにも開催が決定し、スタートしたのです
が、この方針(コンセプト)統一の不徹底が最後の最後まで響いた
大会準備となってしまいました。

私は例年と同じく全体の構成・脚本とゲスト企画を担当したの
ですが、それと平行して、同時期に開催された神保町シアターでの
日本ミステリ映画特集上映『美女と探偵』の企画にもたずさわり、
多忙を極めていたため、この調整をきちんとしている時間が
とれませんでした。

大会当日は、それぞれ別々の思惑で動いている各企画をバラバラに
ならぬようつなぎとめるのに楽屋裏で必死になっていました。

それでも、20周年を記念する豪華な大会にしようと、ゲスト陣も
桃井はるこさんはじめ、飯塚昭三さん、高須克弥さん、さいばら
りえこさん、そして矢追純一さんまでをもお招きし、また、
リンクファクトリーさん製作の宇宙人くじを設置し、いずれも大好評
を博しました。赤字を出すこともなく、20周年企画にふさわしい
賑やかさを出せたということで、まずはホッとした大会でありました。

一方で本業では、6月に『スコ怖スポット・東京日帰り旅行ガイド』
(二見書房)を上梓して以降、単行本の企画も複数進めていましたが、
先にもいった事情でなかなか進捗せず、刊行が決定しているものも
延び延びになり、かなりはがゆい思いをしていました。とはいえ、
プロデュース含め、興味深いお話をいろいろいただいて、新たに
仕事を一緒にすることになった企画ユニット“play”と一緒に、
打ち合わせや取材に忙しい毎日が続き、そうこうするうちに、12月
公演
の準備をしなくてはならなくなってきました。

今回の公演は、これまで世話になってきた劇団『あぁルナティック
シアター』を離れ、私個人のユニットで行うことが決まっていました。
個人主宰で公演、と一口に言っても、その作業量は膨大なものになり
ます。幸い、プロデューサーをかって出てくれた島敏光さんをはじめ、
音楽、美術、映像製作、宣伝デザイン、さらに音響照明舞台監督、
演出補、そして役者たちと、ベストのメンバーを揃えることが
出来ました。

そして、9月の時点で、私の15年来のファンである、博多在住の
調剤チェーン店社長のMさんが、この公演に準備費を出してくれる
ということになりました。もともとMさんとは、2013年に、
ちょっと大きい企画をやりたいという話で打ち合わせをしていた
のですが、その中で、今回の公演にもスポンサードを申し出てくだ
さったのです。これには本当に助けられました。公演はルナティック
時代からのおなじみの下北沢『楽園』で行いましたが、無事成功裏
に終わり、先行きの個人ユニット公演にも自信が持てました。
そして、公演最終日、その公演を観にきてくださったMさんから、
来年(2012年)以降の活動についての提案がありました。

……これは2月以降、全てが決定してからくわしくご報告したいと思い
ますが、今年、ひとつ新会社を立ち上げる予定になっています。
2012年から最低5年をかけてのプロジェクトのための設立で、
自分にとり、数年前からの夢が、何とも簡単に実現してしまった、
という驚きと、これからどう面白いことをやっていこうか、という
期待に胸がふくらむ提案でありました。

もちろん、本業の執筆活動も、今年遅れをとった分は取り返していく
つもりです(既に半ば以上原稿があがっているものだけで、4冊が
進行中です)。ただし、少なくともこの1年に関して言えば、上記の
企画の準備と活動が、生活の中心になるとは思います。こんなこと、
公演が終った時点では創造もしていませんでした。まさに今回の
公演のタイトル『タイム・リビジョン/時間修正作戦』のように、
自分の人生が修正された、そんな思いがしています。

まだ雲をつかむような話ですが、詳細の報告は2月以降を待って
いただくということで、2012年の私の新活動に、どうかご期待
ください、ということで。

改めていま一度、本年も何卒よろしく、お願い申上げます。

                  2012年元旦 唐沢俊一

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