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ドル高基調も円は5%超上昇

12月31日 10時53分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

ことしの外国為替市場は、ヨーロッパの信用不安を背景に、欧米の投資家の間でリスクのある投資を避けようと、新興国から資金を引きあげる動きが強まり、ドルはユーロや新興国の通貨に対して軒並み値上がりしましたが、円に対しては逆に値下がりし、ドルに対する円相場は1年を通じて5%余りも上昇しました。

ことしの外国為替市場は、ヨーロッパの信用不安を背景に、欧米の金融機関の間で、市場の混乱に備えて基軸通貨と言われるドルを手元に確保しようとしたり、リスクのある新興国への投資を引きあげたりする動きが強まりました。こうしたなか、単一通貨・ユーロはドルに対して1年間で3.2%のマイナスとなったほか、新興国の南アフリカの通貨ランドがドルに対して17.9%、インドのルピーが15.8%、ブラジルのレアルが10.9%と、いずれも大幅な値下がりになりました。一方で、経済の先行きが一段と不透明となるなかで、比較的安全だとされる円にとりあえず資金を移す動きも広がり、円はドルに対して、この1年間で5.5%も上昇しました。これについて、三井住友銀行市場営業部の呉田真二上席部長代理は「財政が緊縮の方向に向かうヨーロッパの景気は停滞すると見込まれ、ユーロ安は続くだろう。また、アメリカでは追加の金融緩和を検討するのではないかという見方もあって、一方的なドル高も見込みにくい。ドルやユーロに対する円高基調は来年も続くのではないか」と話しています。