正月を前に、埼玉県所沢市の料理店では、原発事故の影響を受けている福島県の復興を願い、福島県産の食材を使ったおせち料理作りが行われています。
開店して11年になるこの日本料理店では、毎年、年末に4日間ほどかけて、おせち料理を作っています。ことしは、店を経営している福島県出身の井上洋子さんが、原発事故の影響で出荷の自粛や風評被害などに苦しむふるさとを、少しでも元気づけたいと、福島県の農家から、しいたけとえごまの油を特別に取り寄せ、料理長が肉厚なしいたけの煮付けなどを作っていました。農家の人からは、「出荷制限の対象地域から外れていて、放射性物質の検査でも安全が確認されているのに注文が減って大変だ」という内容の手紙も添えられていたということです。井上さんは、「ほかにも安全な食材はたくさんあるので、今後も微力ながら応援していきたい」と話していました。この店では、31日朝までに160個分のおせち料理を作って、注文のあった家に届けることにしています。