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【サッカー】

国学院久我山 2発発進

2011年12月31日 紙面から

国学院久我山−東海大五 後半29分、決勝ゴールを決める国学院久我山の右高(中央)。右は東海大五のGK中西=国立競技場で

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◇第90回全国高校サッカー選手権<第1日> 国学院久我山2−1東海大五

 第90回全国高校サッカー選手権は30日、代表48校が参加して東京・国立競技場で開幕した。開会式に続いて、開幕戦1試合が行われ、3年ぶり出場の国学院久我山(東京B)は11年ぶり出場の東海大五(福岡)と対戦。1−1の後半29分、FW右高静真(3年)が決勝ゴールを決めて2−1で破り、2回戦に駒を進めた。31日に1回戦の残り15試合が行われる。

 「美しく勝つ」−。国学院久我山が標ぼうする、細かくパスをつないで突き崩す「バルサスタイル」が結実した。1−1の後半29分、主将でエースのFW右高がパス1本で抜け出して左足でズドン。決勝点を沈めると、全選手が殺到したベンチ前で手荒く、もみくちゃにされた。

 横浜Mユース昇格を辞退して進学した殊勲の右高は少しだけ胸を張った。「(前方に)蹴るサッカーはやってないし、やりたくない。パスをつないでつないで見せていたので(相手守備陣の)裏が取れました。つなぐ以上に負けないことにこだわっているので、点が入って良かった」

 V弾の伏線は、徹底したパススタイルを貫いた68分間にある。ゴールキックさえも安易に大きく蹴り出さない。李済華監督の指示通りに「リスクを背負ってでも恐れず」に、ビルドアップに注力した。信念はぶれない。「つないだ方が勝つ確率は絶対に高い」と右高。高い技術を基軸にショートパス、ダイレクトパスにサイドチェンジを織り交ぜてゲームを支配すると、東海大五は圧力を強めようと最終ラインを高く押し上げて対抗した。その結果、わずか1本のパスで仕留めることができたのだ。

 ピッチ上で共鳴する選手たちの姿に、李監督は「見ていて面白かった」と目を細めた。世界の頂点に立ったスペインリーグのバルセロナと同じスタイルで、国学院久我山が高校サッカーの頂点を目指す。 (松岡祐司)

 

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