感激の涙に染まった。受賞の瞬間、前田敦子(20)や大島優子(23)らは手で顔をおおって号泣する。今年の音楽賞レースのトリを飾る日本レコード大賞。最高の栄冠をAKB48がゲットした。
「応援してくれた皆さんや支えてくれたスタッフ、秋元康先生、すべての方に感謝します」。壇上にあがった前田は、涙で声にならない声で頭を下げた。
レコ大は2009年に総合プロデューサーの秋元康氏(55)とAKB48として特別賞、10年にグループ初のミリオン突破作「Beginner」で優秀作品賞(大賞ノミネート)を受賞。人気の上昇とともにジャンプアップし“3年目の正直”での栄冠だ。
「フライングゲット」は、前田を筆頭にした6月の「選抜総選挙」で上位にランクインした21人が歌唱。選抜総選挙で順位が呼ばれた瞬間のように、全員の目からは涙があふれ、大島は「ファンの曲といっても過言ではない曲」と、初の栄冠へと押し上げてくれたファンに感謝を述べた。
観客がたったの7人だった東京・秋葉原での初公演から6年。今やメディアで見ぬ日はないほどの快進撃を続け、今年発売した5枚のシングルすべてがミリオンを突破し、女性アーティスト歴代最多となる自身6作目のミリオンを達成。オリコンの年間ランキングでは史上初のトップ5位を独占し、日本の音楽史に金字塔を打ち立てた。
デビューから見守る“恩師”も感激を隠せない。秋元氏は「夢はかなうんだということを彼女たちが証明してくれた」とねぎらい、メガネの奥の目を潤ませた。
創生期からのメンバーで“大黒柱”の高橋みなみ(20)は、「去年のこの日から1年間みんなで頑張ってきてよかった」と感激の面持ちで、「私たちにできることは皆さんを少しでも笑顔に、元気にすること。これからもそれを続けたい」とさらに愛されるアイドルになることを宣言した。
輝かしい称号を得た喜びを胸に、31日には3年連続4度目の出場となるNHK紅白歌合戦のステージへ。グループ史上最多210人による華やかなステージで最高の1年を締めくくる。
(紙面から)