(CNN) 中国政府は28日、多数の死傷者を出した7月の高速鉄道事故に関する最終調査報告をまとめ、鉄道省幹部ら責任者54人を処分すると発表した。
事故は同国東部浙江省の温州で発生し、40人が死亡、172人が負傷した。政府は数カ月かけて事故原因の究明に当たったと説明、複数の問題が重なって衝突に至ったと結論付けた。
最終報告書によると、温州近郊で7月23日に起きた落雷が原因で、前を走っていた列車が電力を喪失。そこへ信号機の故障により、後続の列車が追突した。
新華社通信によれば、調査の結果、列車の運行システムに設計上の重大な欠陥があったことが判明。安全管理の甘さと緊急対応の不備が重なって設備の故障に至った。さらに「鉄道省と上海鉄道局が事故後に適切な対応をせず、事故に関して社会的に関心の高い情報も公開しなかったため、社会に悪影響を及ぼした」と結論付けた。政府は既に高速鉄道の安全点検を完了したと新華社は伝えている。
鉄道省幹部ら54人の処分は28日の閣議で了承された。この中には、今年に入って汚職疑惑で解任された劉志軍・前鉄道相や張曙光・同省副総技術師も含まれ、事故の主な責任はこの2人と、信号システムを製造した中国鉄路通信信号集団の馬騁会長の3人にあるとした。
当局はさらに関係者の刑事訴追も視野に入れ、現在も調査を続けているという。