2011年12月16日 (金)「はじめての紅白・その3 音楽担当『世の中にはいろんな楽器があるもんだ?』」

紅白に初めて携わる一年生ディレクターが、リレー方式で送る連載
「はじめての紅白」。
第3回は「音楽担当」です。

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紅白歌合戦の音楽担当・通称「音担(オンタン)」の川口です。
音担とは、楽曲の編集やアレンジをしたり、演奏者や楽器などをコーディネートしていく仕事です。
あまり目立たないけれど、歌番組には絶対に欠かせない、大事なポジション。
今まで音担といえば、日頃から歌番組をバリバリやっていたり、学生時代にバンド経験があるような、音楽に造詣の深いディレクターがやるものというイメージを持っていました。
しかし、今回初めて音担を任された私、楽器経験も無ければ、譜面も読めません。
普段聞く音楽といえば、もっぱらテクノ…。
これで音担?大丈夫?そんな不安を抱きながらも、優しい先輩方のサポートのおかげで、なんとか業務を進めています。
でも、やはり失敗はつきもの。今回は私の無知が生んだ情けないエピソードをひとつ―。

私は音担チームの中でも、主に楽器の管理や手配を担当しています。
ある出場歌手の楽器リストが先輩からメールで送られてきたときのこと。
紅白のために特別にビッグバンドを編成するとあって、リストには横文字の楽器がずらりと並んでいました。
「Alt Sax」「Tronebone」「Harp」…この辺までは想像がついたのですが、ある楽器の名前を見て目が点に。
それが、「fluteglocken」。
フルートグロッケンって何だ??
フルートはもちろんあのフルート、グロッケンは鉄琴のこと…
そのとき私の頭の中に浮かんだのは、口でフルートを吹きながら、同時に手で鉄琴を演奏するという奇怪な楽器。
想像してみて下さい、ほとんど大道芸の領域です。
世の中にはいろんな楽器があるんだなあと感心しつつ、私は先輩に「このフルートグロッケンって、おもしろい楽器ですよね~」と知った風な顔で話しかけました。
すると先輩は怪訝そうに、「何それ?」「いやここに書いてあるんですけど・・・」「ああこれ?改行できてないだけ」。
そうなんです、本来なら「flute」と「glocken」が行を分けて書かれているはずが、何故かたまたまつながっていただけ。
要するにフルートとグロッケンだったのです。
「フルートグロッケンなんて楽器、あるわけないだろ。どんな楽器だよ!」先輩から突っ込まれ、「ですよね~ははは…」と顔を真っ赤にしながら苦笑する私…。
己の勉強不足を痛感しました。

このほかにも紅白にはいろいろな楽器が登場する予定です。
歌手の方々の歌はもちろんですが、時には楽器にも注目すると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。
とりわけ、ビッグバンドが登場する華やかで迫力あるステージは、絶対に見もの!
気になる曲名は、本番をお楽しみに!
そして、本当は世界のどこかにあるかも知れないフルートグロッケンの情報をお持ちの方は、どうか音担・川口までご一報ください…。

(音楽担当・川口氏)
 

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※写真…机の前に貼っている楽器の略記号表。これと睨めっこする毎日です。
 

投稿者:新人スタッフ | 投稿時間:14:30
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