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ディーゼル復権元年へ マツダ「CXー5」に集まる期待

産経新聞 12月30日(金)12時11分配信

ディーゼル復権元年へ マツダ「CXー5」に集まる期待
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マツダ「CX−5」(野村成次撮影)(写真:産経新聞)
 【業界展望2012】ディーゼル車の国内市場復権へ3度目の正直なるか。燃費性能が高い改良型エンジン車「第3のエコカー」人気の火付け役を担ったマツダが、来年2月にも、次世代クリーンディーゼル車「CXー5」を発売する。環境性能はハイブリッド車(HV)と互角で、価格も競争力を確保する。過去には2008年に日産が参入も後が続かず、09年のホンダ参入計画は延期された。CXー5が市場の評価を受ければ、他社の動きも再び活発化しそうだ。

 「CXー5の国内販売の半分をディーゼルにしたい」

 マツダの山内孝社長は自信を持って宣言。国内市場でシェア1%に遠く及ばないディーゼル車販売に強気の姿勢を示す。

 もともとディーゼル車は燃費性能では評価が高く、1980年代に国内販売台数に占めるシェアは10%を超えていた。ところが排ガス中に、窒素酸化物(NOx)やすすなどの有害な粒子状物質(PM)を出しやすい。規制が厳しくなったうえ、「音がうるさい」などの悪いイメージばかりが定着し、市場から消えた経緯がある。

 しかし、ガソリン車に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、地球温暖化防止の観点でも期待されたことも事実。排気ガスを浄化する技術開発も進み、欧州ではディーゼル車が環境対応車の主流として市場シェア4割を占めている。

 トヨタ自動車の「プリウス」を中心にHVが主流となった日本市場でも、08年9月に日産がSUV(スポーツ多目的車)「エクストレイル」のクリーンディーゼル車を市場投入。ただ、価格が高くオートマチック仕様車の投入が遅れ、他社の追随もなかった。

 09年にホンダが参入する計画も、技術的な課題とコスト増で見送られ、現時点で日本で発売されているディーゼル車は4車種だけだ。

 厳しい市場環境のなかでマツダが強気の背景は、次世代環境技術「スカイアクティブ」に基づき開発した初のディーゼルエンジンで従来に比べ大幅にコストダウンを実現したことにある。価格は未定だが250万円前後となる見通しだ。

 さらに排気量2200ccながら、排気量4000ccのガソリン車並みの力強さを備え、JC08モードで軽油1リットル当たり18.6キロと、燃費性能は全SUVのなかでトップ。軽油がガソリンに比べ1リットル20〜30円安いことを考慮すると、本体価格、燃費面でHVと比べて遜色なくなる。

 同社の人見光夫執行役員パワートレイン本部長は、「ディーゼル車が環境に悪いというのはもはや幻想。軽油はガソリンより安く経済的で、家計にも環境にも優しい」と今後の環境対応車の本命に据える。第3のエコカー人気の余勢を駆ってディーゼル復権につなげたい考えだ。

 ただ、CXー5を含め、現在日本メーカーが販売するディーゼル車はSUVだけ。エンジン音の大きさなどイメージの問題があるためだが、すでに「ガソリン車と変わらない」(マツダ)ほど技術は向上している。

 外車では独メルセデス・ベンツが10年から日本市場で乗用車を販売するほか、来年には、環境技術でトヨタと提携したBMWも日本にディーゼル乗用車を投入する。日産と共同開発する仏ルノーは小型車で参入する見通しだ。マツダもSUV以外へのディーゼルエンジン採用を視野に入れており、ユーザーの選択肢は確実に広がる。

 一方、他の日本車各メーカーも、欧州はもちろん、米国や新興国でもじわりと販売を伸ばすディーゼル車に、それぞれ取り組みを強化している。

 かつて日本市場への投入を見送ったホンダも開発は継続。排気量1600ccで世界最軽量の新型ディーゼルを搭載した小型車「シビック」を来年末に欧州市場に投入する。昨年11月にツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)でホンダがモータージャーナリストを招いて開催した技術説明会では、「もはや開発をあきらめていたと思っていたんだが、すごいものをつくってきた」との評価の声もあがった。

 自社開発よりも商品化のスピードを重視した動きも加速している。BMWからエンジンを調達するトヨタの内山田竹志副社長は、「欧州で燃費や走行性能で評価の高いBMWのディーゼルエンジンを供給してもらうことで、商品投入のタイミングを迅速化できる」と、メリットを強調する。スズキは伊フィアットからの調達を決めた。

 マツダが市場開拓に成功し、海外メーカーの参入が相次げば、他の日本メーカーによる国内市場への再参入や投入車種拡大が現実味を帯びる。HVと同様の環境対応車として、ディーゼル車が再び市民権を得る日は、そう遠くないかもしれない。(阿部賢一郎、平尾孝)

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最終更新:12月30日(金)13時32分

産経新聞

 

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