序章
第1話 始まり
世界と隔離された空間、世精ノ途(ウルスカーラ)。ここに六人の人間がいた。
ジュード・マティス、以前は医学校に通っていたがとあるきっかけでミラの旅につきあうことになった。
ミラ=マクスウェル、精霊マクスウェルにつくられた存在である。
アルヴィン、子供の頃にふとしたきっかけでエレンピオスからやってきた男だ。
エリーゼ・ルタス、いつも増霊極のティポと一緒にいる優れた精霊術士の少女である。
ローエン・J・イルベルト、かつてはラ・シュガル軍の軍師であった老人。
レイア・ロランド、ジュードと幼馴染の少女。いつも元気いっぱいである。
「僕達、今までどこかにいた気がしない?」
ジュードが皆に向かって話す。
「何言ってるんだ、優等生。俺達はずっとここにいたさ。」
「いや、ジュードの言うとおりかもしれない。私もさっきまでどこかにいたような気がする。」
ミラは何か忘れていることがあるのではないか、と思い考えた。
-そ……も…………も、絆は消……い。 みんなと一緒に旅……結ばれ…こ…絆が 消え……んてこ…、絶対…な…。オ…は、そう…じる!!-
-み……。…のこ…絶対に忘れ……でね-
-ここに…る戦…達のことを私は絶…に忘……い-
ミラの脳裏に言葉が浮かぶ。
(今のは一体…。)
「おーい!ミラ~!!置いてくよ~!!」
先のほうでレイアが呼んでいる。
「分かった。今行く。」
ミラは上をそっと見上げた。上にはただ真っ暗な空間が広がっていただけだった。
そしてミラは仲間達のもとへ歩き出した。未来を勝ち取るために…
-テイルズオブエクシリアの世界 ザイラの森の奥の教会-
ジュード達一行は世界中に散らばっていた謎の宝珠(オーブ)を全て集めて、ザイラの森の奥の教会にやって来た。
この六人が教会に着くと二人の女性が待っていた。ティースとパテルである。一行は彼女らに宝珠を渡した。
「ありがとうございます。宝珠を届けてくれたのですね。」
そう言うと、ティースは教会のオブジェに宝珠をはめていく。
「これで宝珠が全部そろったよ!」
「ああ、ついに…。」
「理外の環が、古の姿を取り戻す!」
理外の環の美しさに一行は心を惹かれた。
「きれい…。」
「見事なものだな。」
「で、古代の秘密ってのはどうなったんだ?」
アルヴィンがそう言うと、突然オブジェが光りだした。
「封印魔方陣!しかも、こんな強力な!?」
封印魔方陣が砕ける。
「何かいます!」
「さがって!」
ジュードがティースとパテルを後ろに下がらせる。
全員が武器を構えると、オブジェの中から謎の生物が現れた。
とてつもない大きさだ。
「何なの、こいつ!」
「魔物じゃない!」
「精霊とも違うようだ…。」
「怖いです…。」
「魂が震えるようなこの邪悪な力…。」
「確かなのは解き放ってはいけない存在ということだ!!」
ミラが闇の生物、封じられし者の眷属・紅と封じられし者の眷属・蒼に向かって走っていく。
「アサルトダンス!!」
ミラが封じられし者の眷属・紅に連続攻撃を加える。
しかし効果は薄いようだ。
「ミラ!!」
ジュードが叫び、ミラの元へ走る。
「やるぞ、ジュード!」
ジュードが敵を蹴り上げる。そしてミラが高く跳ぶ。
「カタラクトブレード!!」
ミラが光の剣で斬る。
「………!!」
封じられし者の眷属・紅が床に倒れる。
「やったか!?」
「まだです!」
「しぶとい野郎だ!」
ローエンが詠唱を開始する。
「精霊交響曲!タイダルウェイブ!!」
ローエンが詠唱を完成させると、床一面に大渦巻が発生した。
「…!……!!!」
封じられし者の眷属・紅は床にひれ伏し、消滅した。
「やるねぇ!」
アルヴィンがローエンのことをほめる。
「アルヴィン!後ろ!!」
アルヴィンがレイアの声に気づき振り向くと、封じられし者の眷属・蒼がすぐそこまで迫っていた。
「ちぃ!我流紅蓮剣!!」
アルヴィンが炎をまとった剣で敵を斬り上げる。
「レイア!!」
「OK!」
「轟覇転武踊!!」
二人の息の合った回転攻撃が敵に当たる。
封じられし者の眷属・蒼がひるんだ時、ティポがエリーゼの肩に乗った。
「今だエリーゼ!」
「分かりました!」
「目標ロック!」
「チャージ完了!発射!」
「覚悟しろ!」
エリーゼがティポにエネルギーをチャージして敵に向かって発射し、敵を拘束する。
そしてティポが帰ってくる。
「ただいま!」
「リベールゴーランド!!」
「!!………!」
封じられし者の眷属・蒼は闇の竜巻に巻き込まれ消滅した。
「こんな化物が出てくるなんて聞いてないって。」
アルヴィンが武器をしまいながら言う。
「すみません。まさか理外の環が怪物の封印だったなんて…。」
「これ、壊しておいた方がいいんじゃ…。」
「やめておこう。もう精霊の力は感じない。それに…こんな美しいもの、私には壊せないよ。」
「うん。またアイツが出てきたら、やっつければいいし。」
「そっか。じゃ、レイアに任せる。」
レイアが手を上げて驚く。
「みんな一緒に!……です。」
「じゃあ、僕たちは行きますね。」
そう言うとジュード達は教会を後にした。