スーパーフェザー級王者の内山高志が29日に東京都内で行われた予備検診で、暫定王者のホルヘ・ソリスと初対面。大みそか大トリの一戦に向け「年の最後をしっかり締めくくる」と4度目の防衛に自信を見せた。フェザー級王者セレスティノ・カバジェロに挑む細野悟は19センチのリーチ差にも「必ずKOで勝つ」と強気だった。検診では全員が異常なしと診断された。
「身長が伸びちゃってて…。相手の方が背が高いと思っていた」
内山が検診表を見ながらボソッとつぶやいた。前戦から11カ月。32歳の王者は身長が0.6センチ伸びた。世界挑戦時の昨年1月と比べれば、約2年で1・3センチ成長したことになる。「ついさっきまで寝てたからですよ」とおどけてみせた。
陣営は、この数字を内山の若さと判断。次々と威勢のいい“パンチ”を繰り出した。渡辺会長は「身長が伸びているということはまだまだ20代の若さ。あと7、8年頑張れる!」と40歳までの長期政権指令を出し、佐々木トレーナーは「ビックリしてますけどフィジカル的にまだ伸びしろがあるということ」と、肉体的に成長していると強調した。32歳はまだまだ伸び盛りなのか、それとも単なる誤差なのか。検診した羽生信義ドクターは「32歳で背が伸びているということは医学的にないと思う」と苦笑い。「でも毎回しっかり測っているし、誤差の範囲を超えてるかも…」と首をかしげた。
王者は前戦で右拳を痛め、徹底的に左を磨いてきた。「パワー、スピード、精度、すべて上がっている。今までためてきたものを爆発させたい」。この11カ月で左のパンチが“伸びる”ようになったことを実感。身長だけでなくボクシングでも成長したところを見せつける。 (森合正範)
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