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エボシドリ科
Musophagidae
 エボシドリはアフリカの中南部のみにすむ固有種である。色々な種類の果実、木の実を食べる。よく目立つ冠羽をもち、サバンナにすむ種類は灰色で地味であるが、森林にすむ種類は見た目にも美しい種類が多く、体は光沢のある緑色で、飛ぶと翼の鮮やかな赤が見られる。東アフリカでは学名と同じ「Turaco」と呼ばれるが、南部アフリカでは「Lourie」と呼ばれる。
 鳥の羽色は光の反射によるものだが、森林性エボシドリは羽に色素を持つという大きな特徴がある。しかも、体の緑はツラコバジン、翼の赤はツラシンという動物界でも特殊な色素によるものである。


撮影地:ケニア・カカメガの森


撮影地:ケニア・カカメガの森

カンムリエボシドリ 英名:Great Blue Turaco 学名:Corythaeola cristata
エボシドリ目 エボシドリ科
全長75cm
 熱帯雨林にすむ大型の大変美しいエボシドリで、バードウォッチャー憧れの的である。西アフリカから中央アフリカまでと、東アフリカのウガンダ南部、ケニアのカカメガの森で見られる。全身の大半が深い青で、腹部は緑がかった黄色からオレンジ、長い尾羽の両側も緑がかった黄色である。冠羽は黒で、クチバシは鮮やかな黄色で先端は赤い。
 熱帯雨林の高い木々を好み、こずえで木の実を採食して中枝で休むことが多いので、観察や撮影は大変である。枝に邪魔されたり、薄暗い場所なので、大半がピンボケやシルエットになってしまう。
 この鳥を観ることを第一の目的でカカメガの森を訪れた。ロンドリトルートのロッジ敷地内で5羽の群れを数回観察したが、数は少ないようで他のエリアでは観られなかった。薄暗い熱帯雨林を青い大型の鳥が飛び交う様は眼に焼きついている。なお、ウガンダのエンテベでも観たことがある。


撮影地:ケニア・カカメガの森


撮影地:ウガンダ・ムバララ郊外

ムラサキエボシドリ 英名:Ross's Turaco (Ross's Lourie) 学名:Musophaga rossae
エボシドリ目 エボシドリ科
全長50cm
 西アフリカ東部の一部とウガンダからリフトバレーの西側沿いにザンビア及びアンゴラ北部までの森林から疎林にすむ。全身が深い紫色で、冠羽は真紅、眼の周りとクチバシは鮮やかな黄色と特徴がはっきりしており、他と間違えることは無い。
 2001年のウガンダでは至るところで見られ、飛んでいる写真はホテルの庭に現れたものである。しかし、高い木々のこずえ付近にいるので、遠い個体の撮影ばかりであった。また、ケニアのカカメガの森でもよく観られた。


撮影地:ジンバブエ・ビクトリアフォールズ国立公園


撮影地:ジンバブエ・ビクトリアフォールズ国立公園

シャローエボシドリ 英名:Schalow's Turaco 学名:Tauraco schalowi
エボシドリ目 エボシドリ科
全長40cm
 ザンビア全土、アンゴラ中部、コンゴ民主共和国南部とマサイマラからセレンゲティの森林から川辺林にすむ。全身が独特の上品な緑色で、翼から尾羽は濃い青紫色が入り、眼の周りと小さなクチバシは鮮やかな赤である。冠羽がとても長いエボシドリである。
 ビクトリアフォールズやマサイマラへ行った時はいつも探していたが見つけられず、やっと4回目のビクトリアフォールズで出会えた。この時も木々の間からなかなか出てきてくれず、何枚も失敗作を作ってしまった。


撮影地:ケニア・アバーディア国立公園

オウカンエボシドリ 英名:Hartlaub's Turaco 学名:Tauraco hartlaubi
エボシドリ目 エボシドリ科
全長43cm
 東アフリカのキリマンジャロ、ケニア山周辺を中心としたハイランドの森林にすむ。頭部のエボシと翼と尾羽は濃い青紫色で、他はエボシドリ独特の上品な緑色である。眼の周りは赤く、眼の上に丸い白い斑紋が目立ち、識別のポイントとなる。眼の下にも白い筋が入るが、あまり目立たない。
 ハイランドの森林では普通に見られるそうで、ナイロビ市内でも可能とのことであるが、私は見たことが無い。最近やっとエボシドリの見つけ方が分かってきたので、今後は探してみようと思う。


撮影地:南アフリカ・シュルシュルーエ/ウンフォロージ動物保護区

ズグロエボシドリ 英名:Purple-crested Turaco (Purplecrested Lourie) 学名:Musophaga porphyreolopha
エボシドリ目 エボシドリ科
全長46cm
 東アフリカから南部アフリカのインド洋に近い森林にすむ。緑がかった青紫色の翼と尾羽、首から胸はオレンジ色がかかる。頭部のエボシは濃い青紫色である。残りの首と腹部のみがエボシドリ独特の上品な緑色である。
 森林性エボシドリは縁が無く、8回目のアフリカでやっと会えたが写真の出来はほとんどシルエットであった。実物は飛翔時の赤い翼やオレンジ色の胸は美しいものであった。


撮影地:ボツワナ・モレミ野生動物保護区

ムジハイイロエボシドリ 英名:Grey Go-away-bird (Grey Lourie) 学名:Corythaixoides concolor
エボシドリ目 エボシドリ科
全長48cm
 南部アフリカ北部のサバンナにすむエボシドリで全身が淡い灰茶色である。サバンナにすむため、森林性のエボシドリよりも飛翔力が強い。共同で繁殖することが知られ、ヘルパーがつく。敵が近づくと繰り返し鳴き、鳴声より東アフリカでは「Go-Away Bird」とも呼ばれる。南部アフリカのサファリではサバンナの木々のこずえにいる所をよく見られる。


撮影地:ケニア・マサイマラ国立保護区


撮影地:エチオピア・ソドレ

クロガオハイイロエボシドリ Bare-faced Go-away-bird
エボシドリ目 エボシドリ科
全長50cm
 ウガンダ南部からケニアのビクトリア湖周辺、タンザニア西部、エチオピアのリフトバレーの開けた疎林からサバンナにすむ。顔とクチバシが黒く、後頭部から首、胸までが白く、腹部は淡い赤茶色で、冠羽と翼から尾羽が薄い灰茶色である。乾燥した環境を好み、アカシアの実を食べる。サファリではセレンゲティやマサイマラのサバンナで見られる。


撮影地:ケニア・サンブール国立保護区(オス)


撮影地:ケニア・ツァボウエスト国立公園(メス)

シロハラハイイロエボシドリ 英名:White-bellied Go-away-bird 学名:Corythaixoides leucogaster
エボシドリ目 エボシドリ科
全長50cm
 東アフリカのサバンナにすむエボシドリで全身が灰色で腹部は白い。尾羽の裏は灰色と白の帯が交互にあらわれる。クチバシはオスは黒で、メスは黄色である。乾燥した環境を好み、小さなクチバシでアカシアの実や果実を食べる。ロッジの餌台にも現れる。アカシアのこずえなどに単独か数羽の群れでいることが多く、「Go away」とよく鳴く。


撮影地:エチオピア・ソドレ


撮影地:ウガンダ・カンパラ市街

ヒガシハイイロエボシドリ 英名:Eastern Grey Plantain-eater 学名:Crinifer zonurus
エボシドリ目 エボシドリ科
全長50cm
 ウガンダ全土からビクトリア湖周辺とエチオピア西部の開けた疎林からサバンナにすむ。エボシドリの仲間であるが、冠羽はほとんど目立たない。頭部は濃い灰茶色で背中から尾羽にかけてうすくなり、腹部は白く、黄色いクチバシがよく目立つ。全くエボシドリらしくなく、最初に見た時は一体、どの種類の鳥かさっぱり分からなかった。ウガンダのカンパラやエンテベなどビクトリア湖近くでよく見られた。

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