ハグマンバルブを試奏する [クラシック音楽]
トロンボーンには一般的なテナー・トロンボーンの他、アルト・トロンボーン、バス・トロンボーンがあり、それぞれ音域が異なる。アルト・トロンボーンは滅多に登場することはない。物凄い高い音が必要なときはテナー(又はテナーバス)で無理やり吹くか、マウスピースを特殊なものに代用することで何とか可能だったりする(のだろう)。
私の所有するヤマハのテナー・バストロンボーンであるが、このテナー・バスというのは多くのトロンボーン奏者のメイン楽器であろう。F管なしのテナートロンボーンでは吹けない音域をF管を使うことで半オクターブほど下の音を吹くことが出来るのが特徴で、つまりはF管が付いているということである。ちなみにF管というのは楽器のスライドとは反対側でとぐろをまいているやつのことですね。
主管とF管の切り替えはレバーを押すだけの簡単なものです。高音域を吹くときはF菅は使用しませんから、極端な話F管なしのテナートロンボーンで十分なわけです。一方、レバーを押してF管を使用すると、F管を経由して主観に戻ってから音が出ますので、微妙にアタックが遅れがちになります。管楽器は大きく(=長く)なれば低音になりますから、F管使用により低い音が出るというわけです。
ただ、F管という名称の由来のFですが、これは音階でいうFのことで、通称「ファ」のことですが、この低いFの音を安定して出すのは大変に難しいです。ゆえに、テナーバスで吹く低音は大変不安定であり、できたら低音域はバストロンボーンがいいのでしょう。バストロにはさらにもうひとつの管があってレバーが二つあるほか、ラッパの朝顔が大きく出来ており、より低音域の音が出しやすくなっています。
さて、このF管使用時のレバーと管の間の構造をバルブといいますが、旧来型のバルブですとF管通過時に気流が垂直に流れるという欠点がありました。まあ実際に使用する時は別になんの不自由もないのですが、出来たらもっとスムースな流れにならないものであろうか・・・というわけです。
そこで登場するのが「セイヤーバルブ」とか「ハグマンバルブ」というものです。確かにこれによって気流の問題は解決しました。更に、F管のまき方に「トラディショナル」タイプと「オープン」タイプがあって、新型バルブを使う楽器のほとんどはスムースな巻き方である「オープン」がほとんどなわけです。
ということで、本日はセイヤーとハグマンを某楽器店で試奏してみました。確かに、ハグマンバルブの楽器はとても息の抜ける感じが良くて、旧来の楽器を吹くときと比較して同じ吹き方でもより豊穣な音がでるような気がしました。ただこれは当然ですが新品の楽器だったからかもしれません。
ところで、F管つまりとぐろの部分も近年では「オープン」タイプが多く、「トラディショナル」は少なくなりました。ただ、プロの方でも敢えてトラディショナルを使っておられる方も多いし、それはそれで「硬質の」音が出るということで短所ばかりでもないようです。
バルブはまだまだ従来型が主流で、セイヤーやハグマンは特許料の関係で楽器の値段が高くなるため一般的ではないようです。ただ、オーケストラの使用楽器をみていますと、セイヤーが大分主流になってきた他、ハグマンも散見されます。
ということで、トロンボーン売り場を見てみるとアルトからバスまで、F管の巻き方、バルブの種類、メーカーなど、一見同じようにみえても大分違うようです。
セイヤーとハグマンの不利な点を敢えて挙げれば、デザイン上の問題に尽きると思います。特にセイヤーは従来のバルブよりも巨大で重く、円錐型の目立つ構造で、ぱっと楽器を見たときに妙にバルブに目が行ってしまいます。その点、ハグマンも大きいのですが、セイヤーよりも見た目はおとなしい(円柱型)です。だからというわけではないのですが、今度楽器を買うならハグマンがいいななどと思っていたわけです。で、本日実際に吹いてみますと、ハグマンはセイヤーよりもより自然な息抜け感がよく(思われ)、最初の見立てどおりハグマンにしようと思ったわけです。
ただ、値引き後も35万もします。あまり上手くもないアマチュア演奏家がこんないい楽器を買っていいのだろうかと思い、すこし逡巡しています。ということで、今日はトロンボーン・スタンドだけ購入してきました。楽器は椅子や床に置いて万一傷をつけてはいけないですから(もう手遅れかも・・・)、これはなかなか重宝しそうです。
私の所有するヤマハのテナー・バストロンボーンであるが、このテナー・バスというのは多くのトロンボーン奏者のメイン楽器であろう。F管なしのテナートロンボーンでは吹けない音域をF管を使うことで半オクターブほど下の音を吹くことが出来るのが特徴で、つまりはF管が付いているということである。ちなみにF管というのは楽器のスライドとは反対側でとぐろをまいているやつのことですね。
主管とF管の切り替えはレバーを押すだけの簡単なものです。高音域を吹くときはF菅は使用しませんから、極端な話F管なしのテナートロンボーンで十分なわけです。一方、レバーを押してF管を使用すると、F管を経由して主観に戻ってから音が出ますので、微妙にアタックが遅れがちになります。管楽器は大きく(=長く)なれば低音になりますから、F管使用により低い音が出るというわけです。
ただ、F管という名称の由来のFですが、これは音階でいうFのことで、通称「ファ」のことですが、この低いFの音を安定して出すのは大変に難しいです。ゆえに、テナーバスで吹く低音は大変不安定であり、できたら低音域はバストロンボーンがいいのでしょう。バストロにはさらにもうひとつの管があってレバーが二つあるほか、ラッパの朝顔が大きく出来ており、より低音域の音が出しやすくなっています。
さて、このF管使用時のレバーと管の間の構造をバルブといいますが、旧来型のバルブですとF管通過時に気流が垂直に流れるという欠点がありました。まあ実際に使用する時は別になんの不自由もないのですが、出来たらもっとスムースな流れにならないものであろうか・・・というわけです。
そこで登場するのが「セイヤーバルブ」とか「ハグマンバルブ」というものです。確かにこれによって気流の問題は解決しました。更に、F管のまき方に「トラディショナル」タイプと「オープン」タイプがあって、新型バルブを使う楽器のほとんどはスムースな巻き方である「オープン」がほとんどなわけです。
ということで、本日はセイヤーとハグマンを某楽器店で試奏してみました。確かに、ハグマンバルブの楽器はとても息の抜ける感じが良くて、旧来の楽器を吹くときと比較して同じ吹き方でもより豊穣な音がでるような気がしました。ただこれは当然ですが新品の楽器だったからかもしれません。
ところで、F管つまりとぐろの部分も近年では「オープン」タイプが多く、「トラディショナル」は少なくなりました。ただ、プロの方でも敢えてトラディショナルを使っておられる方も多いし、それはそれで「硬質の」音が出るということで短所ばかりでもないようです。
バルブはまだまだ従来型が主流で、セイヤーやハグマンは特許料の関係で楽器の値段が高くなるため一般的ではないようです。ただ、オーケストラの使用楽器をみていますと、セイヤーが大分主流になってきた他、ハグマンも散見されます。
ということで、トロンボーン売り場を見てみるとアルトからバスまで、F管の巻き方、バルブの種類、メーカーなど、一見同じようにみえても大分違うようです。
セイヤーとハグマンの不利な点を敢えて挙げれば、デザイン上の問題に尽きると思います。特にセイヤーは従来のバルブよりも巨大で重く、円錐型の目立つ構造で、ぱっと楽器を見たときに妙にバルブに目が行ってしまいます。その点、ハグマンも大きいのですが、セイヤーよりも見た目はおとなしい(円柱型)です。だからというわけではないのですが、今度楽器を買うならハグマンがいいななどと思っていたわけです。で、本日実際に吹いてみますと、ハグマンはセイヤーよりもより自然な息抜け感がよく(思われ)、最初の見立てどおりハグマンにしようと思ったわけです。
ただ、値引き後も35万もします。あまり上手くもないアマチュア演奏家がこんないい楽器を買っていいのだろうかと思い、すこし逡巡しています。ということで、今日はトロンボーン・スタンドだけ購入してきました。楽器は椅子や床に置いて万一傷をつけてはいけないですから(もう手遅れかも・・・)、これはなかなか重宝しそうです。
2010-12-02 20:46
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