「開城・満月台の南北共同発掘調査を3月から再開し、アリランをユネスコ(国連教育科学文化機関)の人類無形遺産に南北共同で登録する案を進めたい」
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去後、南北関係が改善するかどうかに関心が集まる中、文化体育観光部(省に相当、以下文化部)が「文化的交流で南北関係を改善したい」という計画を発表した。文化部は、29日午前に韓国コンテンツ振興院(ソウル市麻浦区上岩洞)で開かれた2012年度大統領業務報告で、このような内容を報告した。
29日の業務報告で、文化部の崔光植長官は「2007年から進めて来たものの、昨年の哨戒艦『天安』爆沈事件に伴う5・24対北朝鮮制裁措置で中断された開城・満月台南北共同発掘調査を再開し、発掘作業と共に遺物の実測作業や報告書の発行作業を進めたい」と語った。また、09年8月に人類無形遺産への登録をユネスコに申請した「旌善アリラン」を、北朝鮮のアリランまで含めたアリラン全体に拡大し、来年3月に北朝鮮と共同で申請する案を進めると報告した。さらに、所得が低いぜい弱階層の文化格差を解消するため公演・展示・スポーツ観戦料などを支援する文化・体育・旅行バウチャー事業の対象者を、今年の126万人から来年は171万人に増やしていきたい、と付け加えた。
文化財庁(金讃〈キム・チャン〉庁長)は、来年「無形遺産の保全および振興に関する法律」(仮称)を制定して、アリラン・キムチなどこれまで無形文化財のカテゴリーに含まれていなかった伝統知識・生活慣習・民間信仰・伝統の遊びなどを包括し、保有者がいない種目についても無形文化財として認める根拠を整備したいという方針を明らかにした。また「効率的な海外文化財調査のため、民官協力機構として“国外所在文化財財団”を設立する」と語った。さらに、12年1月1日から顕忠祠を無料開放し、青少年・低所得層向けの宮・陵無料観覧を全面実施する。