米 サウジにＦ１５戦闘機を売却

12月30日 9時22分

核開発を続けるイランと欧米との対立が深まるなか、アメリカ政府は、ペルシャ湾を挟んでイランの対岸にあるサウジアラビアに改良型のＦ１５戦闘機を売却すると発表し、イランの反発が予想されます。

これは、アメリカ国務省のシャピーロ次官補が２９日、記者会見をして明らかにしたもので、アメリカはサウジアラビアに対してレーダーなどの能力を向上させた改良型のＦ１５戦闘機８４機を売却することで合意したということです。戦闘機は２０１５年にサウジアラビアに引き渡され、これまでに売却したＦ１５戦闘機の改良も行うということです。会見の中でシャピーロ次官補は「今回の売却はアメリカが中東地域の安定に関わっていることを示す強いメッセージだ」と述べて、アメリカ軍がイラクから撤退したことで地域が不安定化することがないよう全力を尽くす姿勢を示しました。シャピロー次官補は、さらに「サウジアラビアは安全保障上の脅威をいくつか抱えており明らかに、そのひとつはイランだ」と述べて、今回の売却が核開発を続けるイランを意識したものでもあることを明らかにしました。イランの核開発問題を巡っては、アメリカ議会が制裁法案を可決したのに対して、イランはその対抗措置として原油の海上輸送の要衝であるペルシャ湾のホルムズ海峡を封鎖すると警告しており、今回の戦闘機売却に対してもイランのさらなる反発が予想されます。