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マイクロソフト株式会社 Internet Explorer サポートチームのブログです。

HTTP 通信解析ツールの紹介

HTTP 通信解析ツールの紹介

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マイクロソフト株式会社 Internet Explorer サポートの藤代 真道(フジシロ シンドウ)です。

本日は、Internet Explorer サポートチームで調査に利用するツールをご紹介いたします。

 

今回、ご紹介するツールは Strace HTTPREPLAY です。

これらのツールを利用する事で、HTTP/HTTPS の通信の状況の確認や、手元に再現環境(サーバーやコンテンツ)がない場合でも現象を再現させることができます。

発生する問題によっては、再現できない場合もありますが、遠隔地や特定の環境のみでしか発生しない現象の状況を把握しその後の調査/切り分け/確認を行う為に、有効な情報を得られる可能性が高まります。

 

■各ツールのご紹介

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Strace とは

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Internet Explorer を利用した場合の HTTP/HTTPS 通信のログを採取するツールです。

後述の HTTPREPLAY ツールと合わせて利用する事で、採取したログを元に該当のログ採取時の状況を再現する事ができます。

 

 

HTTPREPLAY とは

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HTTPREPLAY は、Strace などのツールで採取したログを元に、HTTP/HTTPS  のページ閲覧状況を IIS などのWeb サーバーなしで再現する事ができるツールです。

また、Strace などのツールで採取したログを基にHTTP/HTTPS の通信状況レポートが表示される為、クライアントとサーバー間のリクエスト/レスポンスの状況を把握するにも非常に便利です。

 

 

■各ツールの入手先

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各ツールは、弊社の以下の Web サイトより無償でダウンロードし利用する事ができます。

 

Strace 入手先

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STRACE is a socket/SSL tracer designed to generate LOG for Internet Explorer

http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=F5EC767F-27F2-4FB3-90A5-4BF0D5F4810A&displaylang=en

 

 

HTTPREPLAY 入手先

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HTTPREPLAY is a SOCKTRC plugin allowing to analyze and replay HTTP traffic

http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=d25ba362-c17b-4d80-a677-1faff862e629&DisplayLang=en

 

 

■各ツールの利用方法

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各ツールの一般的な利用方法は、以下のようになります。

Strace, HTTPREPLAY さらに詳細な利用方法や、コマンドについては各ツールのインストールディレクトリ内にある Readme.txe をご参照下さい。

 

Strace ログ採取手順

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1.インターネットオプション → 全般タブから、インターネット一時ファイル(Cookie、 キャッシュファイル)を削除します。

  *Internet Explorer は閉じた状態で削除を行ってください。

 

2.Strace をインストールしたディレクトリを Explorer で開きます。

  *通常のインストールディレクトリは C:\Program Files\STRACE です。

 

3.ログの採取を開始します。

  表示されたフォルダ内の STRACE.CMD をダブルクリックすると、Internet Explorer が起動します。

 

4.調査対象の現象を、3の手順で開かれた Internet Explorer で再現させます。

 

5.現象の再現が確認できた後、Internet Explorer のウィンドウを閉じ、ログの採取を終了します。

 

デスクトップ上に、以下のような名前のファイルが作成されます。

 

STRACE_IEXPLORE_PID_<プロセスID>_xxxxx.LOG

 

 

HTTPREPLAY を利用した Strace ログの開き方

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1.    コマンドプロンプトを開き、HTTPREPLAY をインストールしたディレクトリに移動します。

*通常のインストールディレクトリは C:\Program Files\HTTPREPLAY です。

 

2.    以下のコマンドを実行し、HTTPREPLAY を利用して採取した Strace ログを開きます。

> HTTPREPLAY.CMD <ログファイル名>

 

3.Internet Explorer が開き、レポートが表示されます。

  *Internet Explorer8 をご利用の場合、レポートがうまく表示されない場合があります。この場合、F5 で再描画を行うことでレポートが表示されます。

 

4.レポートを表示した状態で、Internet Explorer のキャッシュをクリアし、接続の設定でプロキシサーバーを localhost、ポートを 81 に指定します。

  *本設定をした後、レポートに表示されたリンクをクリックする事で、Strace を採取した際の状況を再現させることができます。

 

 

HTTPREPLAY を利用し、Strace ログを開いた場合の例

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http://support.microsoft.com へのアクセス時に採取した Strace ログを基に、HTTPREPLAY を利用して表示されたレポート

 

 

リクエストのメソッド、レスポンスのステータスコードをクリックする事で、リクエスト/レスポンスの内容(ヘッダ)を確認できます

 

 

 

最下部に、リクエスト/レスポンスの統計情報が表示されます

 

 

HTTPREPLAY で表示されるレポートの時間は、GMT にて表示されます。現象が発生した実際の時間と比較して確認��行う場合、+9 hr で確認をしてください。

*ログ採取時の操作を再現する為には、実際の操作状況を把握しておく必要があります。

 

なお、これらのツールでは、TCP/IP などのネットワーク通信の状況については確認/再現する事ができません。ネットワークの通信状況も含め確認を行う場合、Netmon などのネットワークキャプチャツールを合わせてご利用頂く事をお勧めいたします。Strace Netmon などのネットワークキャプチャツールは、同じタイミングでご利用頂き情報を採取する事ができます。

 

以上です。

 

-       ご参考

Microsoft Network Monitor 3.3

http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=983B941D-06CB-4658-B7F6-3088333D062F&displaylang=en

 

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