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■被災の中サンマの女川健闘
2011.12.30
今シーズン終了
例年の3分の1達成/
 女川魚市場で今シーズンのサンマ水揚げが終わった。数量は7800トン、金額は7億3400万円だった。昨年と比較して数量で33.8%、金額で27.2%にとどまった。震災で岸壁や冷凍、製氷施設が被災したことが大きく影響したが、市場関係者は「数量、金額とも例年のほぼ3分の1。大健闘だった」と評価した。

 県内では女川が気仙沼を数量、金額で上回った。漁場が近く、港の破損も少なかった岩手県の大船渡は、女川の約2倍に当たる1万5000トンを超えた。

 北海道の花咲など3港、宮古、漁場から遠かった銚子も順調な水揚げがあり、震災の影響を大きく受けた女川は遠く及ばなかった。

 今年のサンマ漁は北海道沖合で豊漁が続いた。例年11月初旬には金華山沖に漁場が南下してくるが、今年は11月になっても岩手県沖にとどまり、女川にとっては”向かい風”となった。

 ただ、女川は冷凍施設が失われ、鮮魚出荷のみの対応を余儀なくされた。受け入れ限度は1日3隻、200トン前後だった。こうしたハンディを考慮しながら市場関係者は「期待以上の結果だった」と評価している。

 女川魚市場の加藤実専務は「今年は仕方がなかった」としながらも「あれだけの震災の中、各船に協力してもらった。これを来年につなげてこそ”サンマの女川”を取り戻せる」と話す。

 年明け後、女川魚市場買受人組合が魚市場近くに7000トン級の冷凍工場を建設する。さらに三陸の漁業再生を支援する「希望の烽火(のろし)プロジェクト」が参加者を募り、水産加工場の整備を進めていく。

【甚大な被害を受けた中で、例年の3分の1に達したサンマの水揚げ=女川魚市場】
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