学長の逮捕(連載第21回)
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朝日新聞朝刊に連載中の「プロメテウスの罠」の本日(2011年12月30日)掲載分を以下に引用します。
学長の逮捕:21
最新式との差は10倍
福島第一原発の30キロ圏内に市域の多くが入る南相馬市の医師会は4月14日、緊急理事会を開き、解散を決議した。住民の避難にともなって医師も避難し、事務局の維持ができなくなったためだ。
翌日、長崎市医師会長の野田剛稔(たかとし=67)が現れ、義援金300万円を現金で手渡してくれた。そのおかげで南相馬市医師会は解散を避けられた。医師会長の高橋亨平(73)は「涙が出るほどうれしかった」という。
野田は「そこまで厳しいとは知らずに行った」と振り返る。「災害の時には現金が必要だと思っているので、直接行って手渡しました」
そんな厳しい状況の中、高橋は内部被曝(ひばく)を測るホールボディーカウンターが欲しいと考えていた。高橋は市内で産婦人科を開業している。妊婦の不安を考えると、少しでも早く内部被曝の実態を知りたかった。
6月、米国製の最新式が購入できる可能性があると知る。ところが、現金での取引を求められた。銀行は融資に応じない。そこで、市に買うよう働きかけた。市長の桜井勝延(55)に了解を得るものの、役所の手続きに時間がかかった。市立総合病院に入ったのは9月下旬だった。
そのころ市立病院は、原発20キロ圏内にある研究施設のホールボディーカウンターを借りて使っていた。最新式との差は歴然だった。
「古い機械でとれるデータは検出限界が高く、漫画みたいなレベルだった」と高橋はいう。「この国の国民を守る仕組みはいかにいい加減か、それが分かりました」
旧式は能率も低かった。たとえば福島県立医科大学は警察、消防など原発事故の関連で働く人を対象にホールボディーカウンターを使っている。だがその能力は、1日に10時間使って20人を検査するのが限界。それゆえ一般市民まで手が回らない、と説明する。南相馬市が導入した最新式は2分で結果が出るため、1時間で20人を検査できる。
福島県は最新式を5台買い、トラックに積んで県内各地で計測する計画を立てている。すでに1台がいわき市で計測を始めている。
放射能は目に見えず、影響が出るまで時間がかかることが多い。それだけに、「内部被曝はいまの状況を知ることが大切」と長崎市医師会の野田は指摘する。
「検査の数値に過敏に反応する必要はありません。大事なのは免疫力を低下させないため生活習慣に気をつけることです」(松浦新)
(引用終わり)
医師は放射能のことを知っていますから、結構な人数が福島県から出たらしいという話は、同業者限定のサイトにも出たいた話です。この件についてはあまり深い話はしないことにします(サイトの規則違反にもなりうるので)
> 6月、米国製の最新式が購入できる可能性があると知る。ところが、現金での取引を求められた。銀行は融資に応じない。そこで、市に買うよう働きかけた。市長の桜井勝延(55)に了解を得るものの、役所の手続きに時間がかかった。市立総合病院に入ったのは9月下旬だった。
そのころ市立病院は、原発20キロ圏内にある研究施設のホールボディーカウンターを借りて使っていた。最新式との差は歴然だった。
「古い機械でとれるデータは検出限界が高く、漫画みたいなレベルだった」と高橋はいう。「この国の国民を守る仕組みはいかにいい加減か、それが分かりました」
旧式は能率も低かった。たとえば福島県立医科大学は警察、消防など原発事故の関連で働く人を対象にホールボディーカウンターを使っている。だがその能力は、1日に10時間使って20人を検査するのが限界。それゆえ一般市民まで手が回らない、と説明する。南相馬市が導入した最新式は2分で結果が出るため、1時間で20人を検査できる。
この話は既に当ブログでも登場しています。(参照)
実は、この話にはさらにオチがあります。(プログラムミスとメンテナンスされていなかった・・・参照)
そのときの動画を以下に再掲します。
11月14日 たね蒔きジャーナル
>放射能は目に見えず、影響が出るまで時間がかかることが多い。それだけに、「内部被曝はいまの状況を知ることが大切」と長崎市医師会の野田は指摘する。
「検査の数値に過敏に反応する必要はありません。大事なのは免疫力を低下させないため生活習慣に気をつけることです」
この意見には全く賛成です。しかし、福島第一原発で放出されたものはセシウムだけではないのです。報道はセシウムしか出しませんが、ストロンチウム、プルトニウム等多くの半減期の長い放射性物質も放出されているのに、最近、全く表に出てきません。なぜでしょうか?
参照:
2011年12月25日当ブログ記事:学長の逮捕(連載第16回)
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