ロシア北西部の港で、核戦力の一翼を担う原子力潜水艦の船体の一部が焼ける火事がありましたが、ロシア非常事態省は、これまでのところけが人や放射能漏れはないと発表しています。
ロシア北西部の北極海に面するムルマンスク州の港で、29日、定期修理を受けていた戦略型原子力潜水艦「エカテリンブルク」の周りに取り付けられた木製の足場付近から火が出て、黒い煙が高々と立ち上りました。火は潜水艦にも燃え移り、7時間余りたってようやく消し止められました。ロシア非常事態省などによりますと、この火事で潜水艦の表面が一部焼けましたが、原子炉は停止中でミサイルなどの兵器は搭載しておらず、これまでのところ放射能漏れはなく、けが人もいないということです。核弾頭のついた大陸間弾道ミサイルを搭載する「エカテリンブルク」は全長がおよそ160メートルあって、ロシアの核戦力の一翼を担っており、ことしも4月と7月に弾道ミサイルの発射実験を行っています。今月上旬から、ムルマンスクに入港し修理を受けていたということで、ロシア海軍は、作業員に出火当時の状況について事情を聴いて原因を詳しく調べています。