およそ1兆2000億円が支払われた東日本大震災による地震保険の保険金について、「支払いの基準」に不満があるケースが少なくないとして、日本損害保険協会は、基準の見直しを検討していくことになりました。
東日本大震災では、今月14日までに過去最高の1兆1930億円の地震保険の保険金が支払われていて、支払い額は阪神・淡路大震災の15倍以上となっています。日本損害保険協会が、今回、支払いを受けたおよそ800人に「補償内容」や「支払いの基準」などの満足度を聞く調査をしたところ、「支払いの基準」についての満足度が、ほかの項目と比べて低かったということです。具体的には、現在の基準では、建物のおよそ半分が壊れる「半損」で、決められた保険金の50%が支払われるのに対して、それを僅かでも下回ると「一部損」となり支払い額が5%に落ちることに不満を感じるケースが目立つということです。日本損害保険協会では、こうした声を受け支払いの基準の見直しを検討することになりました。日本損害保険協会の栗山泰史常務理事は、「支払いを受けた2割ほどの契約者から、基準の見直しを求める声があった。国とも相談しながら見直しを進めていきたい」と話しています。