(cache) 被災母子らにホームステイ仲介 安心の場をとサイト開設 - 47NEWS(よんななニュース)
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     ホームステイ先の上坂紗絵子さんの両親宅で遊ぶ平賀恵美さんの長女(左)=4月16日、大津市

     「一人でも多くの人に安心な場所を提供したい」。こんな思いを抱いた母親たちが、東日本大震災で被災した母子らに「ホームステイ先」を紹介するウェブサイトを開設。子育て世代や高齢者夫婦ら、受け入れを表明した世帯登録数は、2団体で千件を超えた。被災者のほか、福島第1原発事故や余震に不安を抱く近県の母子らも利用している。

     希望者は、受け入れ側が登録した間取りや家族構成、滞在期間を確認し、メールなどで直接交渉。3日までに、福島や宮城両県の母子らの受け入れが30件以上決まった。問い合わせも多数に上り、一時避難所として関心が高まっている。

     サイトの一つ「mama to mama」。北京在住で2児の母の主婦加藤万由子さん(35)が「海外にいて、被災地に行けなくても力になれることがある」と立ち上げた。避難所でボランティアにチラシを貼ってもらうなど知名度アップにも余念がない。

     登録した大阪府高石市のNPO法人職員、上坂紗絵子さん(32)は2歳の娘の母親。実家の大津市の両親と相談し、10畳の和室での受け入れを決めた。4月10日から8日間、群馬県高崎市の主婦平賀恵美さん(29)が長女(3)と11カ月の長男を連れて身を寄せた。上坂さんも里帰りし、子ども同士遊んで過ごすことができた。

     直接被災しなかったものの原発事故後、不安で子どもに笑いかけられなくなっていた平賀さんは「落ち着いた暮らしで笑顔を取り戻せた」と振り返る。上坂さんは「またおいで」と送り出した。

     三重県四日市市に住む2児の母の木田裕子さん(45)はサイト「hahako」を開設。登録した育児休業中の京都市右京区の宮部靖子さん(31)は「母親が神経質になると子どもに影響する。ゆっくり過ごして気分転換してほしい」と話す。

     提供を申し出た6畳一間は夫の趣味のための部屋。食費や滞在費は無料で4月30日から千葉県の家族が滞在している。

     明治学院大の松原康雄教授(児童福祉論)は「短期間でも親子がストレスを感じる場所から離れるのは重要。受け入れ地域の育児支援団体と連携すれば、より良い環境になる」と指摘している。

      【共同通信】