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国際
【海外事件簿】米国で台湾の“外交官”逮捕。断交ゆえの悲哀…と思いきや
米国で11月、台湾の駐カンザス台北経済文化事務所の女性所長(領事に相当)が、フィリピン人家政婦に対する詐欺容疑で米連邦捜査局(FBI)に逮捕された。台湾当局は「(外交官の)不逮捕特権がある」と抗議したが、米司法当局は特権を認めず起訴、裁判が継続中だ。事件は当初、米台断交で台湾が正式な外交官を置くことができない悲哀を感じさせ、台湾で反響を呼んだが、事態が進むにつれ、外交当局の失態に対する批判も出始めた。(田中靖人)
家政婦を搾取?
AP通信などによると、駐カンザス事務所所長の劉●(=女へんに冊)●(=女へんに冊)氏(64)は11月11日、外国人労働者に対する虚偽契約を禁じた合衆国法典1351条違反(懲役5年以下)の容疑で、身柄を拘束された。
劉氏は2010年11月、フィリピン人女性を台湾外交部(外務省に相当)職員を通じてマニラで家政婦として雇い米国に呼び寄せる際、週40時間労働で月額1240ドル(約9万7千円)、超過勤務にはその分の給与を支払うとの契約を結んだのに、実際には月400~450ドルしか支払わず、労働時間は一日16~18時間に及んだ。
所長官舎内には監視カメラが付いており、夜間は家政婦の寝室にカギをかけて閉じこめた。パスポートを取り上げ「自分は地域では有名で司法当局に知人もいる。反抗すれば強制送還する」と脅し、仕事ぶりを激しく叱責したという。
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