3号機 ベントで水素逆流し爆発か
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3号機 ベントで水素逆流し爆発か

12月29日 5時41分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の気体を放出する「ベント」を行った際、水素が別の配管を逆流して、原子炉建屋に流れ込み、水素爆発を起こした可能性があることが新たに明らかになりました。

福島第一原発の3号機は、3月14日に水素爆発を起こしましたが、前日の13日以降、格納容器の圧力を下げるため、中の気体を外部に放出する「ベント」を、複数回行っています。東京電力が、最近になってベントの配管から枝分かれして原子炉建屋につながる別の配管を調べたところ、ベントで放出された水素を含む気体が流れ込んだ跡があることが分かりました。この配管には、弁と気体の逆流を防ぐ装置がついていましたが、弁は、電源がなくなると自動的に開く構造になっていたほか、逆流を防ぐ装置も気密性が低く、ベントで放出された水素が配管を逆流して、建屋に入り込み水素爆発を起こした可能性があるとみています。3号機の水素爆発は、これまで原子炉内の水素が格納容器のふたなどの隙間から漏れ出て爆発したとみられていましたが、別の配管を逆流したことも原因の一つだった可能性が出てきたため、国の原子力安全・保安院は、ほかの原発についても気体の逆流を防ぐ機能の強化を検討することにしています。専門家は、「ベントを行うことが水素爆発につながりかねないので、ベントの配管を別の配管から切り離す必要がある」と指摘しています。