地上波放送でいかに魅力的な番組を確保し、オンタイムで見てもらうか。フジテレビにそんな戦略を専門に検討する部署が発足した。編成制作局編成センターに置かれた「メディアプロデュース部」。他媒体との連携も積極的に進めていく構えだ。
11月下旬、東京都内で、来年始まる携帯端末向け放送「モバキャス」の発表会があった。フジテレビの豊田皓社長も出席。同局は携帯端末向けのドラマを制作して「モバキャス」に提供、その後、地上波向けに再編成して放送するという。
フジ側の窓口がメディアプロデュース部だ。スタッフには「花ざかりの君たちへ イケメン☆パラダイス2011」などを手がけた後藤博幸プロデューサーらが入り、脚本には野島伸司が決定している。
他媒体での「先出し」を認めるコンテンツ制作から自局の地上波への還元までを手がける。背景には、録画視聴の増加などテレビの見方の変化と、端末の多様化がある。
他媒体との連携は既に進んでいる。「BSスカパー!」が10月に放送した開局記念ドラマ「Oh!デビー」はフジテレビの制作で、来年同局でも放送される。メディアプロデュース部の発足で、こうした動きが加速する可能性がある。桑田靖部長は「今後のテレビのありようを見据えて、コンテンツを戦略的にコントロールしていきたい」と話している。(小田健司)