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国際
【金正日総書記死去】「市民の涙は演技」求心力低下か 葬儀を専門家ら分析
北朝鮮の新しい最高指導者として金正日総書記の葬儀を取り仕切った後継者の三男、金正恩氏。テレビに映し出された葬列を率いる姿などから専門家らは「金正恩体制の正統性を内外に強く印象づけようとした」と指摘する。一方、「金日成主席の葬儀に比べ、沿道の市民の泣き方がわざとらしくなった」と求心力の低下を指摘する声もあった。
「象徴的だったのは出棺のシーンだ」。こう語るのは、九州大の小此木政夫特任教授(朝鮮半島政治論)。錦繍山(クムスサン)記念宮殿から金正日総書記の遺体を乗せた霊柩(れいきゅう)車が出棺する場面が放映されたが、1994年7月に行われた金日成主席の葬儀ではこの場面は放映されなかったと指摘する。この映像で正恩氏とひつぎを囲んだ要人らの顔ぶれから、「金正恩体制は軍が李英浩(リヨンホ)氏、政治は張成沢(チャンソンテク)氏で成り立っていることが内外に強調された」(小此木教授)という。
霊柩車は大勢の市民が沿道に集まる中、平壌市内をゆっくりと巡る様子が放映された。北朝鮮の強制収容所解体を目指すNGO「ノーフェンス」の宋允復(ソユンボク)事務局長は「金日成の葬儀では実際に泣いている市民もいたが、今回はいかにも動員をかけた並び方で、泣き方もわざとらしさが目立った。演技をしなければならない市民の苦しみが伝わってくるようだった」と指摘する。
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