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地方
基準値36倍のアスベスト ビル解体現場で検出 仙台
2011.12.1 02:43
仙台市は30日、仙台市青葉区中央のビル解体現場で、大気汚染防止法の基準の36倍に当たるアスベスト(石綿)を検出したと発表した。市は解体業者の東洋環境開発(同市青葉区)に作業を中止させるとともに、散水などの飛散防止策を指導した。
解体中のビルはJR仙台駅に近い旧ホテルサンルート仙台で、市が11月28日に立ち入り検査して測定した結果、敷地境界2カ所で1リットル当たり130~360本のアスベストが検出された。大気汚染防止法では石綿製品製造工場に対する敷地境界基準が1リットル当たり10本となっており、環境省大気環境課は「敷地境界で1リットル当たり100本以上を検出した例は恐らくないのではないか」としている。ただ、長期的な経過観察をしなければ、人体への影響は分からないという。
市によると、アスベストを使った建物の解体工事では、解体に先立ってアスベストを除去する必要があるが、東洋環境開発は一部でアスベスト除去のための隔離・密閉の措置を施していたものの、施していない部分でアスベストを除去しないまま解体作業を行った。
同社は作業部分がアスベストを含んでいると知っていたが、「工程を急ぐ必要があった」と説明しているという。市は行政処分も視野にさらに調査している。
ホテルサンルート仙台は昭和49年の開業で、東日本大震災で被災し4月に閉店していた。市は震災後、建物の解体工事などが増えたことからアスベストのモニタリング検査を行っている。
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