私は、村田メールに、立会人がいない取調室の雰囲気を感じます。
戦前、警察や特別高等警察は、旧内務省所属の機関でした。旧内務省は絶大な権力を持っていました。効果的な抑制手段がなければ、恫喝が行政の常套手段になるのは、容易に想像がつきます。
市町村側の力量がしばしば不足しているので、総務省が必要なのだとする意見があります。例えば自治体の合併などの大きなプロジェクトでは、総務省の手助けがないと、実行できないところがあったそうです。
もう1つ、日本の国民は、自治体の暴走にたいするチェック役を、総務省に期待しているように思います。いずれも、自分の生存と尊厳を、自力で確保せずに、お上頼みにしようとする論理です。
ところが、日本政府は制度疲労のため、機能が大きく低下しています。お上頼みの害は、住民の自立に伴う不利益より、桁違いに大きくなります。地方自治体の首長は、問題があれば、比較的簡単に選挙で交代させられるのです。住民の不利益は住民の責任なのです。
引用文献
1. 小松秀樹:大規模災害時の医療・介護. 『緊急提言集 東日本大震災 今後の日本社会の向かうべき道』pp64-73, 全労済協会. 2011年6月.
2. 小松秀樹:病院の震災対応 病院ごとの事前マニュアル作成のすすめ. pp123-128, 経済セミナー増刊. 復興と希望の経済学. 経済評論社2011年9月.
3. 「原発30キロ圏」の医療が崩壊. 『選択』7月号,100-101, 2011.
4.福島県の横暴、福島県立医大の悲劇. MRIC by 医療ガバナンス学会. メールマガジン;Vol.277, 2011年9月27日
5.小松秀樹:災害時の医療と自立した個人のネットワーク. 医療救援活動戸災害弱者へ対策への提言. 外来小児科. 14; 315-324, 2011.
6.小松秀樹:無理です山下さん、やめてください福島県(その1/2). MRIC by 医療ガバナンス学会. メールマガジン; Vol.318, 2011年11月18日
7.小松秀樹:無理です山下さん、やめてください福島県(その2/2). MRIC by 医療ガバナンス学会. メールマガジン; Vol.319, 2011年11月19日
8.小松秀樹:福島県の横暴、福島県立医大の悲劇. MRIC by 医療ガバナンス学会. メールマガジン; Vol.277, 2011年9月27日
(つづく)
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