「内容の是非はともかく、入口論で副市長という立場にある者から、総合病院の一医師である坪倉さんにはどうしても少し申し上げざるを得ません」
「特別職に対して原因を調べろという趣旨のメールになっていますから、私に対してはともかく、市長に対しては失礼極まりない行為であり、また、今回のような意見をお持ちでありながら、組織として総合病院がどのような庁内調整をされているのかが全く見えてきません」
「言葉は良くありませんが、これでは単なる一職員による感情任せの『ちくり』としてしか扱うことが出来ません。ご自身の責任や立場を踏まえられた行動をお願いしたいと思います」
「この際申し上げますが、WBCや尿検査の問題など、市民を巻き込むような話題において重大な守秘義務違反を繰り返されていることは、極めて遺憾です。これらの問題について何らの反省や状況報告がなされないままで今回のようなメールを頂戴し、上から職員を押さえつけるような事態が生じれば、ますます総合病院の立場は苦しくなるものと思います」
「これらに加え、県や県立医大に多大なご迷惑をおかけし、これら対応を総合病院ではなく市の側で負わされている現状を考えると、市職員としても、感情的にどうしても総合病院を敬遠せざるを得なくなるのではないでしょうか」
「総合的に、良識的かつ市職員として最低限守るべきことは何なのかを再度見つめなおしていただき、日ごろの業務にあたっていただければと思います」
村田メールとジュネーブ宣言
坪倉医師が困惑したのは、村田メールに、以下のような医師の行動規範と相容れない内容が含まれていたからです。
(1)南相馬市立総合病院の一職員である非常勤医師が、市長に直接メールを送ることはあってはならない。「庁内調整」をした上で段階を追って意見を上げるべきである。
(2)WBCや尿の放射性物質検査の結果は、守秘義務が課されるべき情報である。
第2次世界大戦中、医師が、戦争犯罪に国家の命令で加担しました。ドイツではこのような医師たちの行為は法律に則っていましたが、ニュルンベルク継続裁判で起訴され、23人中、16人が有罪になり、7人が処刑されました。
断わっておきますが、この裁判自体、戦勝国が正義を敗戦国に押し付けたもので、手続き上、公平なものではありませんでした。新しく作成した規範に従って、過去の行為を裁くもので、大陸法の原則に反していました。
- 「損保会社が病院を提訴」の衝撃 (2011.12.01)
- オリンパス問題について内視鏡医はもっと怒るべき (2011.11.09)
- 日本の医療をグローバルスタンダードに引きずり落とすな (2011.11.01)
- 自家造血細胞の採取は有効な方法か (2011.10.19)
- 重度の放射線障害から人体を守る術はまだない (2011.10.18)
- 日本はいまこそニューディール政策を採れ (2011.10.06)
- 世界最高レベルなのに満足度が最低ランクの日本の医療 (2011.10.03)
- こんなものいらない、復興増税 (2011.09.13)
- 行列のできる病院が莫大な累積赤字を抱えてしまう理由 (2011.09.06)