【国際】金総書記告別式、前例踏襲で後継強調2011年12月28日 16時00分 【ソウル=辻渕智之】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記死去後、28日の告別式まで哀悼の方式や期間設定、遺体の保存方法などは1994年7月の金日成(キムイルソン)主席死去時の前例を踏襲している。正恩(ジョンウン)氏の後継体制が金総書記の統治スタイルにならって運営されることを示唆しているといえる。 13日間の哀悼期間と8日間の弔問客受け入れ、各機関や企業所に弔旗掲揚を義務付けたり、歌舞、娯楽を禁じたりしたのは94年当時と同じだ。29日の中央追悼大会の内容を公報した文章までほぼ一致する。 宮本悟・聖学院大准教授(北朝鮮政治、軍事)は「金主席の告別式を取り仕切った金総書記の政治を継承するという意思表示」と指摘する。半面、「突然の死であわてて対応し変更を検討する余裕もなかった」とみる。 94年と異なるのは国家葬儀委員会の委員の数だ。94年の273人に対し、今回は232人。宮本准教授は「金主席の権威を上回る人間はいないので、あえて減らした」と分析する。 韓国では、無難な踏襲だけでは正恩氏の指導力に対する不安を払拭(ふっしょく)できないとの観測もある。大手紙・東亜日報は、94年当時の金総書記が「部下らを退け、遺体の永久保存を指示し、遺影を厳しい表情から笑顔に変えた。独自色を打ち出し、非凡さを宣伝する契機にした」と指摘。独自性を示さず、先例に従う“安全運転”を行う正恩氏と比較してみせた。 (中日新聞) PR情報
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