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経費を虚偽精算、水増し 「慣習的」か 伊万里市議会 | ||
伊万里市議会の議員視察で、飛行機代と宿泊費がセットになった安いパックツアーを利用したにもかかわらず、宿泊費や交通費を別々に請求して経費を水増しし、視察中の飲食費に充てたり、残金を「還付金」として議員に現金で支払っていたことが21日、佐賀新聞社の取材で分かった。慣習的に行われていたとみられ、議会事務局が実際の旅費と異なる虚偽の旅費精算書を作成していた。
佐賀新聞社が情報公開請求した資料などによると、10月中旬に2泊3日の日程で神奈川県を訪問した委員会視察(議員8人)で、実際は飛行機代と宿泊費がセットになった1人当たり約4万4千円のパックを利用しながら、市には約7万5千円を申請。パックとの差額約3万1千円は視察先での交通費のほか、1回7千円の夕食代などに充てていた。視察後、余った分は昼食代などに使った日当7800円(3日分)の残金を含め、議員1人当たり約1万8千円を現金で支給した。
市に提出した視察旅費の精算書では飛行機代や宿泊費、交通費などを別々に計上。使っていない新幹線を利用したようにするなど、虚偽の書類を作成していた。
市の規程では、旅費は定額支給になっており、精算書に領収書を添付する必要はない。議会事務局の水田政良局長は「規定に合わせて申請し、残金がないようにするため、事務局で事実と異なる精算書にした。不適切であり、今後は是正したい」と述べた。
市総務課は「定額支給方式なので、余った分を現金支給することは問題ない。事実と異なる精算書は不適切で、旅費規程についても検討したい」と説明する。
10月に行った別の視察でも同様にパックを利用したが、精算書では宿泊費や交通費が別々に請求されていた。市議会は年6回ほど委員会視察を行っており、議員の一人は「以前にも視察後に還付金をもらうことがあった。これまでの慣習で受け取ってきたが、議会として考えなければならないだろう」と話す。
佐賀大学の畑山敏夫教授(政治学)は「格安の旅行パックなどが普及しており、旅費の定額支給は時代に合っていない。無駄をなくすためには領収書を添付するなど、実体に合った制度に変える必要がある。議会の側から改めていくべきだ」と改善を促した。 |
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2011年11月22日更新 |