ＤＦダニエル加入　甲府から完全移籍

　名古屋グランパスは２７日、甲府のＤＦダニエル（２９）を獲得したことを発表した。ダニエルは１８６センチ、７９キロのセンターバックで、今季Ｊ１で２８試合に出場し１得点。今季は守備陣の層に不安のあったグランパスだが、前神戸ＤＦ石櫃（いしびつ）に続く補強で、攻守に分厚い戦力を整えた。

　豪華なメンバーがそろった攻撃陣に比べて手薄だった守備陣に、頼もしい外国人が加わった。

　「素晴らしいクラブでプレーできることに喜びを感じている」というダニエルの加入は、ＤＦ層を厚くすると同時に、チームに刺激を与える。基本的な構想では闘莉王、増川のセンターバックコンビは変わらないが、小椋伸二強化部長は「２人に割って入る存在を期待しているし、ハードな日程を考えれば、効果的な選手起用ができる」と説明した。

　今季のグランパスは、２月に始動した時点で、両サイドバックの田中隼、阿部も含めて４人の最終ラインは固まっていた。全員がほぼフルシーズン戦ったことで穴は見えなかったが、アジア・チャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）と並行開催だった５月に闘莉王、増川が相次いで故障離脱した時には、苦戦を強いられている。

　ＤＦ千代反田は退団が決まったが、ポテンシャルで上回るブラジル人ＤＦと、先に獲得が決まった石櫃の２人の加入で、来季もＡＣＬに参加する厳しい日程にも、安定した戦力を保つことが可能になった。　（木本邦彦）