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シンガー・ソングライターの谷村新司(63)が27日、客員教授を務める東京・豊島区の東京音楽大学で、来年4月にスタートする音楽学科作曲指揮専攻の新コース「ソングライティングコース」の受験生に向けた説明会を行った。J‐POPのヒットメーカーを最高学府の場で育成するという画期的なコース。アリス時代のヒット曲「チャンピオン」で「立ち上がれ!」と歌った谷村が、ヒットメーカーとして立ち上がろうとする学生をサポートする。
数多くの名曲を世に送り出した谷村は「自分の経験から培ってきたものは全部教えます」とし、優秀な人材は在学中からデビューの手助けもする。
東京音楽大学で来年4月より新設される「ソングライティングコース」は、文字通り作詞作曲を学び、日本の音楽シーンの中核であるJ‐POPのクリエーターを養成することを目的としている。谷村はカリキュラムなどのプロデュースにも携わり、教壇に立って主に作詞について講義し、作曲はレコード会社で活躍する伊東和彦氏(48)が指導する。
新設に向けた準備として、谷村が今年4月より客員教授に就任。隔週ペースで特別授業を受け持ち、主任教授の三枝成彰氏(作曲家=69)らとともに、学生の指導やその方法など総合的にプロデュースした。
この日は1期生となる来年4月入学を目指す受験生に向けた説明会。谷村は「僕は“指導”はしません。楽しみながら、作り方やその方法などを見つけていくヒントを出していきたい」と学生の個性を重視する方針を明かした。入試も、音大受験では必須といわれる実技試験はなし。小論文、面接、表現力をみるために歌唱が課された。
この方針も入学時点で「学生もクリエーター」(谷村)との考えからだ。
「プロとして40年やってきた経験をすべてお話します。テレビやラジオで話せない部分も授業では話します」と新たな才能発掘に意気込む谷村。自身が書いた「チャンピオン」の歌詞は、ベテランボクサーが若い挑戦者に敗れゆく姿を表現したもの。学生から心をKOされるような作品が飛び出せば、まさに本望だろう。
(デイリースポーツ提供)
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