ホッとニュース 【11月1日03時17分更新】

釣果に物言い 能登半島海釣り大会、参加者うわさで混乱

魚のサイズを測る大会参加者=能登町内の釣具店
 賞金総額100万円を懸けて7月に始まり、10月31日に最終日を迎えた「能登半島 海釣り大会」の釣果をめぐり、参加者に「インチキがまかり通っている」とするうわさが 広がり、主催者の能登半島広域観光協会が苦慮している。観光誘客が目的であるため釣果 判定のルールは緩く、大会事務局は疑わしい場合に証拠を提出させることにしたが、関係 者は「賞金が高額で開催期間も長く、やっかみや不正は出て当然」と指摘している。

 大会は400人以上が参加し、キス、クロダイ、スズキなど5部門で大物を競い、最高 10万円をはじめとする各賞を用意した。宝達志水町以北の能登の海岸で釣るのがルール で、大会ホームページで大物ランキングを公開、随時更新する仕組みだ。

 ところが、暫定順位が公開されて間もなく、「買った魚を持ち込んでいる」「釣り上げ た場所が不自然」「能登以外で釣った魚ではないか」などとする話が参加者の間でささや かれ始めた。事務局にも同様の匿名情報が寄せられたという。

 混乱を招いた要因の一つが「参加者を信じて厳しくしなかった」(事務局)という釣果 判定のルール。大会期間終了後の最終審査で、釣果に虚偽や不正が見つかれば記録は抹消 される。検量を担うある釣具店は「怪しげな魚はすぐに分かるし、仮に持ち込まれても受 け付けない」とするが、釣った現場の写真や魚拓の提出は義務付けていなかった。

 事務局によると、昨年の第1回大会でも同じようなクレームがあり、釣り人の個人攻撃 も含まれたことから、今大会は順位をイニシャルのみで公開。事務局は指摘された「不正 」の事実確認は困難で「やっかみがかなり含まれる」とする。

 ただし、釣り愛好者の全国組織である全日本磯釣連盟は「一般対象の大会で、成績上位 者に賞金が支給されるとなれば不正は出てくる」と指摘。「モラルに訴えるだけでは不十 分で、抜け道をなくす努力が必要だ」(広報担当者)とする。

 来年以降の大会運営について事務局は「ルールや開催期間、賞金を含め抜本的に見直す 」とした。


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