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きょうのコラム「時鐘」 2011年12月28日
ごたごたが続いた大相撲で、「年寄(としより)名跡(みょうせき)(親方株)」を協会が管理する方針が固まったと報じられた。協会改革の一つとして、解決が急がれている宿題である
力士が引退し、親方株を持てば年寄を名乗って協会に残れる。金沢出身の元大関出島は2年前に引退し、年寄「大鳴戸(おおなると)」を名乗る。まだ30代半ばである。サラリーマン社会では働き盛りの真っただ中、職人や芸の世界では半人前だろうが、角界には童顔の年寄が何人もいる。不思議な世界である 時代劇には時折、若年寄が登場する。辞書を引くと、「年寄」は年配者だけでなく知識や度量の優(すぐ)れた人を指すとある。若い年寄がいて不思議でない世界もある。が、中には未熟な年寄もいて、角界の不祥事を防げなかったという声が出た。だから、年寄制度に大ナタを振るおうという取り組みである 年寄よ、汗を流せ。年寄がしっかりしないと組織は立ちゆかぬ。そんな掛け声を、年配者が多い相撲ファンは注視しているに違いない 年寄復権の土俵外の大一番をとくと見守りたい。ひょっとして「待った」や肩(かた)透(す)かしがあるかもしれないから。 |