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青森・八甲田での火山性ガス中毒とみられる死亡事故
2010 / 06 / 21 ( Mon )
昨日、青森市の酸ケ湯温泉付近の八甲田山中で、
前日からテントを張って一泊していた親族9人のグループが、早朝、タケノコを採りの最中、
火山性ガス中毒とみられる症状で2人が倒れ、中二の次女が亡くなるという事故が起きました。

東奧日報から、時系列順に、
20日、09:26

八甲田で3人倒れる 有毒ガスか


 県警に入った情報によると、20日午前6時45分ごろ、青森市の酸ケ湯酸ヶ湯温泉近くの地獄沼から約30分の山中で、山菜採りに入った女性2人と男性1人が倒れていると消防に通報があった。
有毒ガス中毒の可能性があるとみて調査している。


09:53

八甲田 5カ所で全面通行止め

 県警は有毒ガスが発生した可能性があるとみて、20日午前9時、雪中行軍遭難者銅像、城ケ倉城ヶ倉大橋、猿倉温泉、谷地温泉、睡蓮沼の計5カ所で道路を全面通行止めにしている。


10:12

男性1人は自力下山/八甲田

 倒れたと通報があった男女3人のうち、男性1人は自力下山したことが、青森署の調べで分かった。


10:55

有毒ガス?八甲田で中2女子死亡

青森署は同日午前9時57 分、10歳代の女性の死亡を確認した。
家族によると、亡くなったのは同市の東中2年、伊藤実姫さん(13)。
もう1人の女性は母親の真弓さん(45)。
同署は火山性の有毒ガスが発生した可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。


12:20

酸素ボンベ背負い調査/県警

 消防・警察関係者らが遭難者らの搬送後、酸素ボンベなどを装備して、一緒に入山した遭難者親族の案内で現場に向かい、状況を調べている。


13:08

「硫黄のにおいした」/八甲田

 実姫さんより先に入山した親族男性は取材に「先に入ったときは硫黄のにおいがするくらいで、気にしていなかった」と話した。


13:18

八甲田の通行止め一部解除

 県警は20日午後0時10分、周辺の交通規制のうち、国道103号の青森市城ケ倉城ヶ倉−十和田市谷地区間の全面通行止めを解除した。


14:09

入山者に注意呼びかけ/青森署

 青森署は20日午後、入山者に対し、「十分に注意してほしい」と呼び掛けた。


15:34

八甲田の交通規制を解除

 全面通行止めとしていた田代、城ケ倉城ヶ倉、谷地温泉、睡蓮沼の計4カ所の道路について、県警は20日午後3時、交通規制を解除した。
車両から降りて入山しないよう注意を呼び掛けている。


15:57

県管理の登山道2区間閉鎖

 県観光企画課は20日、県が管理する登山道の八甲田登山線(酸ケ湯−田茂萢岳)と毛無岱線(酸ケ湯−大岳)の2区間を閉鎖した。
安全が確認できるまで閉鎖する方針。


23:17

火山性有毒ガスが発生か/八甲田

 20日午前6時45分ごろ、青森市荒川の酸ケ湯酸ヶ湯温泉近くの八甲田山系山中で、山菜採りに来ていた女性らが倒れていると消防に通報があった。
駆け付けた消防署員らが同9時57分、現場で同市八幡林熊谷、伊藤実姫さん(13)=東中学校2 年=の死亡を確認。
一緒に入山した母親の真弓さん(45)のほか、同市油川岡田、無職長内美里さん(35)と瑞鳳(ずいほう)君(11)=沖館小学校5 年=の母子の計3人が市内の病院に収容されたが、命に別条はないもよう。
青森署は火山性の有毒ガスが発生した可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。

 現場は、酸ケ湯温泉付近の「酸ケ湯インフォメーションセンター」から登山道を東に数百メートル入り、そこからさらに北に入った沢沿いの山中。

 親族らによると、実姫さんらは親族計7人でタケノコ採りのため早朝から入山。
男性3人が先に午前5時半ごろ入山し、実姫さんを含む男女4人が同6時ごろ、後から入山した。

 沢近くの一段低くなった場所で、後発の4人のうち、実姫さんと真弓さんの2人が、具合が悪くなってしゃがみ込み、間もなく実姫さんが意識を失い心肺停止状態になった。
真弓さんも一時意識を失った。

 2人と一緒に行動していた長内さんが、先を歩いていた男性らに異変を連絡。
男性らが駆け付け実姫さんに心肺蘇生(そせい)を施したという。

 実姫さんらは19日夕に現場付近を訪れ、同センター前の駐車場そばにテントを張って夜を明かし、朝に入山した。

 現場一帯には硫黄系特有の臭気が漂っていたといい、火山系の有毒ガスが発生、滞留した可能性もある。
青森地方気象台によると、20日午前7時の酸ケ湯の天候は曇りで風速1メートル以下。
「風は弱かったのでガスがたまっていた可能性もないとはいえない」(気象台担当者)という。

 八甲田で登山ガイドを30年以上している青森市の50代男性は「登山道には、においがする所はあってもガスがたまるような場所はない。
しかし登山道から外れると、そうした(危険な)場所があるかもしれないと考えないといけない」と指摘。
「長年来ているから大丈夫と考える人が多いが、条件は日々変化していて、きのう大丈夫だったからきょうも大丈夫ということにはならない」と話す。

 青森署は実姫さんの遺体を21日、秋田大学で司法解剖し死因を調べる。

 八甲田山系では1997年7月、青森市田代平牧場近くの通称・ガス穴で、訓練中の陸自隊員3人が二酸化炭素中毒とみられる症状で死亡している。


21日、08:54

有毒ガス事故、観光への影響懸念

 現場周辺の観光関係者は「夏から秋にかけての本格的な観光シーズンに客足が遠のくのではないか」と影響を懸念している。


08:54

八甲田、身近な場所に潜む危険

 死亡事故の現場は、この時期タケノコが豊富に採れる場所としてよく知られている。
現場近くの酸ケ湯酸ヶ湯温泉や地獄沼は、全国から多く観光客が訪れる名所。
身近な場所に思わぬ危険が潜んでいた。


08:54

突然倒れた娘 懸命の蘇生及ばず

 ささやぶを縫って続く細い道。
歩いていた母娘2人が相次いで崩れ落ちるように倒れた−。
20日早朝、多くの登山客や山菜採りが入山する中で起きた、青森市の酸ケ湯酸ヶ湯温泉近くでの死亡事故。
亡くなった伊藤実姫さん(13)と同行していた親族や救助に当たった入山者らは、こわばった表情で当時の状況を振り返った。


13:35

登山道1コース 県が新たに閉鎖


 県は21日、田茂萢岳から毛無岱方面へ延びる登山道(通称・宮様コース)を新たに閉鎖した。


13:35

県、入山禁止の看板設置/酸ケ湯


 事故から一夜明けた21日午前、県警は事故原因究明に向け実況見分を再開した。
事故現場近くの酸ケ湯インフォメーションセンター前駐車場に早朝からパトカーを待機させ、山菜採りなどに訪れた人に立ち入らないように呼びかけた。
また県は「立入禁止」と赤文字で書かれた看板を立て、二次被害防止の対策を取った。


以上、現時点までの詳細でした。


僕もとっさに、火山性ガス中毒八甲田山のキーワードで、同じ八甲田山で97年7月に起きた、
訓練中の自衛隊員3人が通称“ガス穴”と呼ばれる穴の中で二酸化炭素中毒で死亡した事故を思い出しました。

火山性のガスでの事故と云えば、ほかにも、福島県の安達太良山でも登山者4人、湯沢市の温泉旅館付近で家族4人が、
硫化水素ガス中毒で死亡した事故も。

二酸化炭素も硫化水素ガスも、サリンだってそう、ガス=気体は目に見えないから、
気付いた時にはもう手遅れ、ということが往々にしてあります。

スキー場で働き始めた頃、酸欠状態の部屋に入ってしまい、死にそうになったことがありました。

寒さで凍結した風呂場の水道管を、業務用のガスバーナーをガンガン焚いて解凍しようとしていて、
風呂場の中はガスバーナーの燃焼で酸素が空っぽの状態になっていました。

でも、そんなこと考えもせず、風呂場の戸を開けた瞬間、息を吸っても空気が肺に入ってこない危険な状態に!

まさに、SF映画で見た、宇宙服を着ずに宇宙空間に放りだされ、アップアップするシーンそのもの!

一瞬で死を感じました。

同時に酸欠状態に気がついたので、無理に呼吸すれば余計にパニックになると思ったので、
逆に息を止め、心の中で10数える間に風呂場の窓を速攻で全開にし、脱衣所に飛び出ました。

人間の体は、酸素濃度が低い空気を吸った時、反射的に次の呼吸でもっと大きく吸おうとしますが、
酸素濃度が低い空気を思いっきり吸い込んでしまい、酸欠状態になって倒れます。

息を長いこと止めたり、水の中で息ができない状況なら誰でも理解できると思いますが、
空気があるのに息ができない、空気の中で溺れる恐怖は、体験した人にしか分からないでしょう。


現場周辺は、木が枯れてたり、硫黄臭もしていたことから、有毒な硫化水素が発生してるんじゃないかと、
ローカルの間では噂になっていたそうですが、県はまったく、把握してなかったとのこと。

展望台のボルトの緩んだ手すりなんかを見つけたときもそうですが、危ないかも?と思ったら、連絡しましょう。

連絡もしないで、やっぱり、ほらね、っていうのは一番いけません。
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15:51:35 | コメント(回答)(3) | page top↑
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コメント
--助かります--

近々、八甲田山に登山に行く予定でした。
東京ではあまり詳しいニュースは流れないので、ネットで色々調べていましたが、こちらのブログが一番詳しく状況が分かりました。
地図も付いていて、ほんと助かります。
タケノコ採りに入られていたところは登山道から少し離れていたようですが、登山道はいつまでも閉鎖されるのでしょうか?
続報をお願いします。
by: 通りすがり * 2010/06/21 16:22 * URL [ 編集] | page top↑
--コメントありがとうございます--

> タケノコ採りに入られていたところは登山道から少し離れていたようですが、登山道はいつまで閉鎖されるのでしょうか?

事故の原因・正体が目に見えないガスなら、県としても解除の目処を立てにくいでしょうね。
火山帯ではどこから噴き出しても不思議ではないので警戒しきれないし、
けれど、夏休みも迫ってる…。
当面は、ガスがたまりにくい安全なルートから解除かな。
風が吹いていればガスが凹地に停滞する恐れも少ないでしょうし。
解除されても、安全宣言というより、自己責任が強く求められる状態になるんでしょうね。

続報が届き次第、アップする予定ですが、
解除情報などは多分、地元青森の東奧日報(http://www.toonippo.co.jp/)が早いと思います。
お出かけ前に東奧日報のチェックをおすすめします。
by: るし * 2010/06/21 17:51 * URL [ 編集] | page top↑
--返信ありがとうございます--

早速の返信ありがとうございました。
東奥日報のリンクも有難いです。
今後もよろしくお願いいたします。
by: 無名の登山家さ * 2010/06/21 19:59 * URL [ 編集] | page top↑
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