政府は27日、電力制度を抜本的に改革するための論点をまとめた。既存の電力会社が発電と送電を一体運営し、小売りもほぼ独占している現状を見直す。送電部門を分離して発電事業者に公平な対応をさせ、発電への新規参入の促進や地域間の融通をしやすくする。小売りは家庭向けの競争を自由化する。競争による効率化と安定供給を両立させ、東日本大震災であらわになった電力供給の脆弱性を改善することを狙う。
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政府は27日開いた「電力改革および東京電力に関する閣僚会合」で、枝野幸男経済産業相が示した論点整理を了承。経産相が来年1月にも改革の「私案」をまとめ、政府の議論を本格化させる。来夏につくる新しいエネルギー政策に改革案を反映させ、2013年の通常国会で電気事業法など関連法の改正をめざす。
発電と送電については、新規発電事業者が競争で不利にならないように体制を見直す。発電と送電の分離により、送電部門がどの発電事業者の電気も公平に受け入れるようにする。すべての利用者に必要な電力を送る供給責任も維持する。
すでに採用している発電と送電の会計分離の徹底に加え、送電部門を完全に切り離す「所有分離」、持ち株会社などの下に発電と送電を別会社で置く「法的分離」、送配電網の運用を中立機関に委ねる「機能分離」の4類型を列挙。今後、具体的な制度設計に入る。
小売りの自由化は現在、契約電力が50キロワット以上の企業など大口分野だけにとどまり、家庭向けなどは地域独占の電力会社が規制料金で販売している。こうした小口分野も含めて完全に自由化し、消費者が購入先を選べるようにして価格の抑制をめざす。
送電の分離や小売りの完全自由化を進めて既存の電力による地域独占にも風穴を開け、営業区域を越えた電気の売買も促す。利用者側での需要抑制も可能になるように次世代電力計(スマートメーター)や柔軟な料金制度の導入を促進する。
政府が制度改革をめざすのは、東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故で計画停電や電力使用制限を余儀なくされ、地域独占の電力供給体制のもろさが露呈したためだ。今後、原発停止に伴う火力発電の追加燃料負担で電気料金が上昇する可能性が高いなか、既存の電力会社に厳しい改革を突きつけ、世論の理解を得たいとの思惑もある。
東京電力、枝野幸男、西沢俊夫、電力小売り
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