東京電力は、福島第一原子力発電所の事故で、国の審査会が自主避難をした人も賠償の対象にする指針をまとめたことなどから、賠償費用が上積みされるとして、27日、原子力損害賠償支援機構におよそ6900億円の追加の資金援助を申請しました。
東京電力は、福島第一原発の事故の賠償費用については、政府が出資する原子力損害賠償支援機構の援助を受けており、これまでにおよそ9000億円の公的資金を受けることが決まっています。その後、国の審査会が自主的に避難した人についても賠償の対象にする指針をまとめたことや、来年4月以降も長期間、帰宅が困難になる見通しとなった世帯などへの賠償資金を用意するため、東京電力は27日、機構に対して6894億円の追加の資金援助を申請しました。政府側は、申請の内容や東京電力の合理化の取り組みなどを見極めたうえで、実際に資金援助を行う額を決定することにしています。一方、東京電力が実際に避難した人などに支払った賠償金は、27日時点で2500億円余りにとどまるなど支払いの遅れが指摘されており、今後、賠償金の支払いをいかに円滑に進めていくかが大きな課題となっています。