- [PR]
地方
【年末記者ノート】(1)東日本大震災 何をどう伝えたらいいのか… 報道の難しさ痛感
2011.12.27 21:07
(3/3ページ)
似たような経験をしたという人に出会った。5年前、岩手県から埼玉に働きに出てきたアルバイトの男性(23)だ。
この男性は、大船渡市の生家が流された。震災直後にテレビで見た映像では、家の周辺に何も残っていなかった。「(家族が)死んだかも」と胸が騒いだ。埼玉に出てから一度も帰省しなかったという男性は「初めて家族のつながりを意識した」と振り返る。
結局、2日後に母からの電話で家族全員無事と分かった。だが、男性の心に深く残ったのはその後のことだ。男性が震災のことを母に話すと、「何も知らないあんたが震災を語るんじゃない」と突き放された。東北を捨てた人間に、東北人の苦しみが分かってたまるか。そんな母の心の叫びに触れ、胸が痛んだという。
多くの人々の心を揺さぶり、生活を変えた東日本大震災。当事者でない自分が何をどう伝えたらいいのか、今も自問自答しながら取材を続けている。(市岡豊大)
◇
今年もあと5日。さいたま総局の記者が、この1年間で思い出に残った出来事や事件を振り返る。
- [PR]
- [PR]