武器輸出三原則を事実上緩和
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武器輸出三原則を事実上緩和

12月27日 12時17分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

政府は、27日、安全保障会議などを開き、外国への武器輸出を認めないとした「武器輸出三原則」を事実上、緩和し、一定の条件の下で、防衛装備品の共同開発や海外への移転を認めることを決めました。

政府が新たに設けた包括的な例外措置によりますと、日本の安全保障や国際平和に役立つ場合に限って、防衛装備品の国際共同開発や共同生産に日本が参加できるとしています。これによって、戦闘機などのハイテク装備を共同で開発できるようになり、コストを大幅に削減できるとしています。また、平和貢献や国際協力で使用する場合に限って、防衛装備品の海外への移転を認めるとしており、国連のPKO=平和維持活動で、自衛隊が外国で使用した重機やヘルメット、それに防弾チョッキなどを、そのまま現地に供与することができるようになります。こうした例外措置は、27日、開かれた安全保障会議で了承されたあと、閣議に報告され、藤村官房長官が談話として発表しました。政府は、これまで日米のミサイル防衛の共同開発など、個別の案件ごとに例外措置を決めてきましたが、今回、包括的な例外措置を設けたことで、防衛装備品の海外移転がこれまでより格段に進むものとみられます。政府は、外国への武器の輸出を認めないとした「武器輸出三原則」の理念は堅持するとしていますが、今回の措置は、「三原則」の事実上の緩和で、日本の防衛政策は大きな転換点を迎えることになりそうです。

一川防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、「防衛大綱の方針を踏まえた内容で、防衛省・自衛隊としても平和貢献、国際協力活動の観点で積極的な貢献ができるようになると評価している。安全保障上、関係の深い諸国との共同開発、生産についても、こうした考え方に即して対応することは安全保障に資するものだと考えている。一方で、『武器輸出三原則』という従来からの考え方は、わが国の平和国家としての基本的な理念でもあるので、基本的な理念は堅持しながら、第三国への移転や目的外使用に関わる場合は、事前に日本の同意を義務づけ、厳格に管理していきたい」と述べました。