世界最短の波長を出すエックス線自由電子レーザー施設「さくら」(兵庫県佐用町)と、世界最速の計算速度を誇るスーパーコンピューター「京(けい)」(神戸市中央区)を連携運用する整備費2億円が、24日閣議決定した2012年度政府予算案に盛り込まれた。来年から県内で稼働する二つの「世界一」の連携で、画期的な新薬の開発などが可能になるという。
両施設は06年に策定された国の第3期科学技術基本計画で、集中投資すべき五つの「国家基幹技術」に選ばれている。
「さくら」は原子レベルの構造や超高速の化学反応を分析できる施設で、06年度から整備を開始、来年3月に利用が始まる。一方の「京」も06年度に整備が始まり、今年6月と11月に計算速度で世界1位となった。毎秒1京回(京は1兆の1万倍)の計算能力を持つ。来年6月の完成、同年11月の利用開始を目指す。
さくらを使えば、これまで解析が困難だった「膜タンパク質」と呼ばれる物質の構造解析が容易になる。このタンパク質は、がん細胞の増殖などに関係し、構造が分かれば増殖を防ぐ新薬の開発などが可能になるという。ただ、解析は「京」の処理能力がなければ困難とされていた。
予算案では、さくらの整備・運用費として75億円を計上し、うち2億円を「京」との連携費とした。一方、「京」の整備・運用費は150億円が盛り込まれた。
兵庫県関係ではこのほか、三木市の実大三次元震動破壊実験施設「E‐ディフェンス」の改良に40億円を計上。振幅の大きい揺れが長く続く「長周期地震動」の再現時間を東日本大震災並みに延ばし、東南海・南海地震などの被害軽減策の研究に役立てる。(佐藤健介、古根川淳也)
(2011/12/24 14:45)
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