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近畿運輸局、なにわ筋線と北大阪急行線延伸の相乗効果は大きな影響なし
大阪ビジネス拠点から関西国際空港などへの高速交通ネットワークでのアクセス「なにわ筋線」について検討する「第5回高速交通ネットワークへの鉄道アクセス改善方策に関する検討会」(座長・斎藤峻彦近畿大学経営学部教授)が22日に大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で開かれた。近畿運輸局は、なにわ筋線と北大阪急行線延伸又は西梅田・十三・新大阪連絡線(仮称)との相乗効果の検討について調査を行い、需要予測、費用便益分析、収支採算性等については大きな影響がないとした。
なにわ筋線は、新大阪駅から事業が進められている東海道支線の新駅となる(仮称)北梅田駅から延伸してJR難波・南海難波とJR難波・南海汐見橋に結ぶ2つのルートで計画。中間駅は乗換動線を考慮し中津付近(地下鉄御堂筋線、阪急神戸線・宝塚線)、福島付近(阪神本線、JR東西線)、中之島付近(京阪中之島線)、西本町付近(地下鉄中央線)、西大橋付近(地下鉄長堀鶴見緑地線)の5か所を検討している。概算建設費は約1900億円〜約3990億円と試算している。
北大阪急行線延伸は、千里中央駅を北伸し新箕面駅(仮称)を結ぶ約2・5q。西梅田・十三・新大阪連絡線は、西梅田駅から阪急十三駅を経て新大阪駅を結ぶ約5・3q。
なにわ筋線のルートについて21年、22年度の調査を踏まえJR難波・南海難波とJR難波・南海汐見橋の2ルートのなにわ筋線内中間駅ノンストップパターンと全駅停車・中間駅ノンストップ複合パターンで北大阪急行線延伸又は西梅田・十三・新大阪連絡線(仮称)の整備によるなにわ筋線への相乗効果について検討を行った。
なにわ筋線の需要予測、費用便益分析等では、費用便益分析について費用便益比(B/C)は北大阪急行線延伸が0・91〜1・80、西梅田・十三・新大阪連絡線が0・87〜1・77となった。また収支採算性について、両路線とも都市鉄道利便性増進事業費補助を活用した場合に最短24年目に累積資金収支が黒字転換可能という結果になった。
なにわ筋線と北大阪急行線延伸と西梅田・十三・新大阪連絡線との相乗効果において、大きな影響がないことが分かったとしたが、需要予測、費用便益分析、収支採算性等以外の相乗効果として、なにわ筋線と両路線との乗換利便性の向上やこれに伴う大阪北部地域、阪急沿線等と関西国際空港などの大阪南部地域等の相互アクセス改善が期待させるとした。年度末までに第6回検討会を行い、コスト縮減、関西国際空港アクセス時間の短縮等について検討を進めて行く予定。