東日本大震災から9カ月が過ぎましたが、震災による直接被害とは別に、結構な規模で日本社会に被害をもたらしているのが、「反原発」派による風説の流布でしょう。 反原発は一種の宗教のような勢いで広がり、原発容認派は肩身の狭い思いをしていますが、反原発派の主張はそのほとんどが荒唐無稽です。 ちょうど頃合い良く、このような本が出版されました。 『検証 大震災の予言・陰謀論』(文芸社) 震災にまつわる様々な陰謀論や、反原発文化人たちのムチャクチャぶりが手際よく解説されている良書です。筆者は往年の「トンデモ本シリーズ」愛読者でもありますので、実に楽しく読むことができました。 筆者のスタンスは「緩やかな原発廃止派」であり、同時に「近隣を除けば放射線被害は殆どない」と言う主張を開示しています。本件についてはそれなりに時間を費やして調査し、論考していますので、論旨の正確性には自信があります。 本稿の目的は上記の主張ではなく、自称オカルトハンターとして(苦笑)上記本も参照としながら、反原発や陰謀論を垂れ流す連中の所業を批判しようと言うものです。 さて、この半年余り、反原発派や陰謀論者の論説をいろいろと聴いてきて、彼らは3つのパターンに分けられることが解ってきました。 1)筋金入りの反原発論者組(左翼的スタンス) 2)洗脳組 3)日銭稼ぎのための、勝ち馬乗り組 1)筋金入りの反原発論者組 代表例は、何と言っても広瀬隆氏。皮肉にも筆者の亡父と同姓同名・字まで一緒というこの御仁は、残念ながら尊敬に値する人とは言えません。反原発のためなら事実捏造でも何でもやらかす、目的のためには手段を選ばないタイプ。 あるいは最近の震災文化人ですと、小出裕章氏でしょうね。この人は震災により反原発教団wwからクローズアップされるずいぶん前から、反原発論のスターとして一部では知られていました。 上記『大震災の予言』では「”搾取と抑圧”にこだわり、一面的な判断を下しがち」と断じられてしまっています。確かに北朝鮮の核はきれいな核、なんてことを平気で言ってしまう人です。筋金入りだなあ… こういう人たちは確かに困ったもんですが、主義主張は一貫しています。逆に言えばそれ以外の事は言わない(言えない)わけなので、主張の合理性をいちいち吟味するのは時間のムダに近い。 熱狂的な支持者に支えられて、自らの論説を垂れ流すのが気持ち良いわけですから、要するにその枠(檻?)の中で吠えて頂いていればよろしい。 2)洗脳組 代表例は、まあ山本太郎ですかね(爆笑)。後は、震災後突如として反原発ブログを始めた主婦(殆どが小さい子供のお母さん)なんかもこの類です。 彼らも「原発即時全廃」と言う結論からものごとをスタートさせているので、賛成意見にはどんないかがわしいものでも飛びつき、反対意見は工作員呼ばわりする。 実に解りやすい人たちですが、リテラシーは皆無です。もちろん核物理学や過去の原発事故の検証結果を学ぶなどと言うことは全くしない。放射線量は安全であるという客観的データを示しても「政府と東電は事実を隠しているだけだ!」で終わりです。 典型的な陰謀論ドハマリパターンであり、洗脳状態以外のなにものでもありません。 私自身も、この手の人にブログでかみつかれたことがありますし、SNSの日記上で論争になりかけたこともあります。時間の無駄なのでスルーさせて頂きましたが… 洗脳状態ですから、何かのきっかけでひょいと解けるかもしれません。 仮に洗脳状態が続いても、5年・10年と経つうちに「実は何も起こらない」と言うことに殆どの人が気づき、自然にこの問題を忘れてしまうことでしょう。 時間薬と言うことで、こういう人たちも放置しておいてよろしい。 3)日銭稼ぎのための、勝ち馬乗り組 代表例は断トツで武田邦彦氏です。自称wwジャーナリストで言うと上杉隆、あるいは岩上安身あたりが該当しますかね。本件とは全く関係ありませんが、森永卓郎は典型的な「勝ち馬乗り組」の、自称経済アナリストです。 彼らは要するに、センセーショナルな言辞を発して耳目を引くことで、仕事を増やし稼ごうとしている連中であります。 このカテゴリが最も性質が悪い。個人的には大嫌いです。文字通り死んでほしいとすら思います。 彼らは、正しいか正しくないか・事実の検証など全く無視して、センセーショナルでかつ世論の大勢が傾いている意見に実にたやすく乗っかります。 勝ち馬組ですから、前言撤回など日常茶飯事どころか「毎秒前言撤回」状態です。 『大震災の予言』に、武田氏の支離滅裂ぶりが描写されています。 「武田氏は、子供の内部被曝の影響は大人の4倍になると主張している。副島氏に「内部被曝を4倍にするのは、武田さんの理論なんですか。それともどなたかほかの人で採用している人がいますか」と問われ「(専門家は)全員が同じです」「誰でも4倍です」と答える。ところが、他の専門家の名前を挙げてくれと言われても答えられない。それどころか「誰でも4倍です」と言ったわずか4行後には「4倍と言っているのは僕だけです」と、前言をあっさりとひるがえす」 「副島氏が放射線医学の専門家の名前を何人も挙げ、みんな年間100ミリシーベルトまで大丈夫と言っている、と説明すると、武田氏は「それは嘘だから。嘘は議論しません」「嘘です」と繰り返す。ところが、その直後に「僕は『嘘』も全部撤回します」「私は嘘って言ってませんよ」と言いだす。支離滅裂である」 …引用を引き写して書いてるだけでめまいがしてきた… どうも武田氏は「その場をとりつくろう為だけに口から出まかせをいう」と言う、鳩山由紀夫元総理と同じ可愛そうな人にしか見えなくなってきましたが、その口から出まかせによる被害は甚大ですよ。 こんないい加減な人が、国会で証言までしているのですから、世も末です。 『大震災の予言』によれば、武田氏は震災後5カ月で10冊も本を出しているそうです。半月に1冊。おそらくその全てが、上記の根拠のない思いつきで埋め尽くされていることでしょう。 上杉氏・岩上氏については(武田氏のこと書くだけで腹いっぱいになってきたので)その所業をいちいち書き連ねることは止めますが、全く同じカテゴリです。 上杉氏は「かまってちゃん芸人」のようなところがあって、時々断筆宣言やジャーナリスト廃業宣言をして、お決まりの取り巻きに止められて再開、と言うのを時々繰り返してますね。これで「正義のジャーナリスト」を名乗るのですから、全く… 彼らの最も許せない点は、自らが検証したうえで正しいと考えた主義主張を世間にきちんと伝えようなどと、これっぽっちも思っていない点です。目的は目立つこと・稼ぐことですから当然です。 にも拘らず、純真無垢な一般市民は「テレビに出てるジャーナリストさんが言ってることだから」「大学のエライ教授が言ってることだから」と、その主張(妄言)を鵜呑みにしてしまう。 これを風評被害と呼ばずして、何と呼びましょうか。 特に、大学教授と言う職種の権威をある意味地に落とす・後足で砂をひっかけるような行動を繰り返している武田氏の罪は、実に大きいと思います。本人は名も売れたし、テレビに出て結構な収入もあるし、後はハッピーリタイアメントが待ってるだけなのでしょうが、騙された幾多の市民は(自業自得の部分があるとはいえ)目も当てられませんよ。 「一将功成りて万骨枯る」とは、まさにこのことです。 メディアリテラシーを高めるのは難しいことです。 特に原発・放射線問題は、めんどくさい科学の知識も必要なので、ものごとを正しく理解するのには時間と気合が必要となります。 ただ、そういう人にとってもオススメと思うのは 「テレビによく出る評論家・教授の言うことは、原則として信用ならない」 と言う観点です。 主張が世論に迎合するような内容の場合、尚更です。 その人が「政府は情報を隠している」なんて言い出したら、そいつは真黒です。 どうぞ、安易に騙されず自分で考えて結論を出せる人が、一人でも増えますように。 本文をその一助としたいと思います。 |
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工作員の書いた本ですか。 |
pw 2011/12/27 09:49 |
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